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顧問契約を解除したら… 税理士事務所が豹変! 突然強面に!! 記事

顧問契約を解除したら…… 税理士事務所が豹変! 突然強面に!!

「裏切り者は……許さない!」

まるでゴルゴ13の一コマの様ですが、この言葉は税理士が顧問契約をしていたお客さんに対して、実際に吐き捨てたセリフです。
契約をしていた中小企業の社長があることをきっかけに、顧問契約の解消を相談したところ、税理士の仏のように穏やかな顔が、たちまち阿修羅のごとく怒り狂い、社長は恐怖に慄き、床に額をつけての土下座をするまでに発展しました。
この出来事の一部始終をお伝えいたします。ご覧ください。

 

流行りの“起業ブーム”に背中を押され瞬く間に開業

中小企業の社長は常に悩みを抱えている。資金繰り、取引先、競合との兼ね合い、従業員の管理。
「社長業なんて楽なもんだよ」
学生の時は、よくよく考えずこんなことをボヤいていたっけ。
社会人になって20年目に、勉強のため経営者の集いに参加したがきっかけとなって、開業に特化しているA税理士と知り合い、もともと、起業に対しての憧れもあって、事業計画書の作成や、会社の定款、商業登記、公庫へ借入の申し込み、そして……退職と、起業。話はトントン拍子にすすんだ。

私は現在、従業員8人と小規模なIT企業を経営する馬淵雄介(仮名)48歳である。

43歳の時に起業した会社は、一般企業に対する勤怠システム導入が時流に乗って、たちまち売上は増加。前出の税理士に個人事業主から法人化する契約をし、従業員もそれに応じて一時は20人近くまで膨らんだ。しかし、価格競争と保守管理の必要性が薄い新システムが浸透し、また、自社発行のアプリの販売が伸びなかったこともあって事業拡大は中断。幸い、引き際が良かったのか大きな損害はなく、今は大手の社内管理システムの一部の制作の請負契約をメインにしている。

ただし、下請けというのは……やはり、苦しいものだ。
相手が一般企業なら、作るものは一緒でも価格を企業に応じて変えるのも当たり前だったが、下請けの立場じゃそうはいかない。担当者の顔色を伺いながら、会社の方針や契約なども加味して、その都度、手を変え品を変え“仕事を受注できるような流れ”を作っていくのだ。よく、営業の契約ノウハウなどが紹介されているが、肝心なのは“いかに断っちゃまずいなぁ”という罪悪感を相手に抱かせ契約へ結びつけるかだ。

このあたりは、実のところ顧問のA税理士の影響が強い。この先生は表情が優しく話がしやすいのだが、今の現状だとその提案は厳しいなあ……と、断りたい提案も過去にはあった。しかし、そういった雰囲気を出すと、仏のような表情が、とたんに悲しみに溢れ、今にも涙がこぼれそうに震えるのであった。経営者として、断ることも必要なのだが、先生のこの表情だけには思わず負けて、つい提案に乗っかって契約してしまう。
新たな契約更新を何度か重ね、会社も大きくなったり縮小したりを繰り返した。

最初の頃の従業員は独立して会社を作ったものもいれば、退社して大手に移った者もいる。この業界は移り変わりが早く、たかだか5年間ずいぶんと変わってきた。最近は、IT企業の経営者ながら、若い人の使うツールが分からないことも多い。従業員をリードしてきたつもりが、すっかりマネージャー体質が板についた今日この頃、今ではSNSのニュースは若い従業員から聞いて知る話がほとんどだ。

「馬淵さん……これって、あの税理士さんのことですかね?」

今日も、いつものSNS情報について、従業員から話があった。
ただし、内容はいつものIT業界のトレンドや、ユーチューバ―のゴシップではなく、身近な人物……開業から5年近く付き合いのあるA税理士の先生の話だ。SNSの書き込みを詳しく読んでみると、地元の税理士事務所に関して、様々な悪口がかかれたガス抜きコメントである。どの書き込みも、実名は隠してイニシャルで記載されているが、微妙に分かるように工夫されていた。ネットのゴシップは9割以上がガセだと思うが、まれに事実もある。特に昨今はバカにできない内容が多いので、一応、見てみると……内容はおおよそこういったものだ。

・顧問料が高額
・高い割にメリットが少ない
・優しい顔をしているが面倒見が悪い
・依頼者のためにならない提案が多い


そして……
 
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