士業の『今』を知り、『未来』を見つめるWebマガジン

  • TOP
  • 検索結果

検索結果(全11件)

タグ “働き方” を含むコンテンツを表示しています。

  • 士業にまつわる最新情報をピックアップ!

      TECHNOLOGY あなたの事務所のセキュリティは大丈夫?3割の企業がセキュリティ事故の被害者デル株式会社とEMCジャパン株式会社の調査により、国内の中堅企業(従業員100~1000名)のうち、30.2%が直近3年でセキュリティ事故に遭っていることが明らかになりました。その中で、最も多大な被害をもたらしているのが、18.6%を占める「ランサムウェアによる被害」。『ランサムウェア』とは、パソコン内のファイルを勝手に暗号化した上で、元の状態に戻すことと引き換えに身代金を要求するウイルスのことです。ほかには「紛失や設定不備による情報漏えい」や「フィッシング詐欺」などが多発しています。しかし、多くの企業でセキュリティ対策が進んでいないのが現状です。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が策定している『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン』に準拠した、適切な対策を行っている企業はわずか4%。まだまだ十分とは言えない数値にとどまっています。セキュリティ対策は、一般企業のみならず、個人情報を多く取り扱う士業事務所にとっても喫緊の課題。事務所のセキュリティ体制を見直すことが不可欠といえるでしょう。  WORKSTYLE 場所を問わない働き方、業務効率化の立役者となり得るか?テレワークの認知度が40%に出社せずに業務にあたる働き方『テレワーク』が普及しつつあります。人材活用事業を手掛けるエン・ジャパン株式会社の調査によると、テレワークについて「知っている」と回答した人は40%にのぼり、テレワーク制度がある企業に勤めた経験がある人は17%に達しました。その中で、実際に制度を利用したことがある人は4%で、うち77%が「また利用したい」と回答。従業員にとって満足度が高い制度であることが明らかになりました。再び制度を利用したい理由は、「時間を有効活用できるため」「通勤のストレスがないため」「仕事の効率化のため」などがありました。しかし、テレワーク制度にはデメリットもあります。事実、経験者の11%が「今後はテレワークで働きたくない」と回答しています。その理由としては「仕事とプライベートをハッキリ分けたい」「長時間労働などの時間管理が不安」などが挙がりました。いかに企業側が労務管理の体制を整えられるかが、テレワーク制度の成功を左右するでしょう。最近では、士業事務所でもテレワーク制度を取り入れる動きがあります。人材不足の世の中で、優秀な人材をつなぎとめるためにも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。  LIFESTYLE ブラック企業問題や考え方の変化が影響か?6割の新入社員が、働き方〝人並みで十分〟今春の新入社員を対象にした『「働くことの意識」調査』で、「働き方は人並みで十分」と答えた人数が61.6%と過去最高となったことを、調査を行った公益財団法人日本生産性本部などが発表しました。  2018.11.01
  • これからを生き抜くのは 働く人を幸せにできる企業 ~この本に学ぶ~

     社員を家族だと考え働く環境を改善する著者の芦田敏之氏は、大手税理士法人に勤務したのち、2012年に税理士法人ネイチャー国際資産税を設立しました。その名の通り、国際資産税に特化し、着実に実績を伸ばしてきました。それに伴って社員が増え続ける中で、働きやすい環境づくりにも注力。その斬新な取り組みが今、注目を集めています。本書には、「なぜ働きやすい環境づくりに着手したか」という考え方から〝3カ月ごとの9連休〞などの新しい制度についてまで、詳細に記されています。「事務所の働き方をなんとか改善したい……」と悩んでいる先生方に、ぜひともおすすめしたい一冊です。『Treatasa family』。直訳すると、「家族のように接する」。これは、芦田氏が最も大切にしている経営哲学で、本書の中でも何度も登場するキーワードです。その真意について、芦田氏は語ります。「『少しくらい体調が悪くても何とか踏ん張れ。それがビジネスだから』というような考えで、社員を他人として扱う会社もあります。反対に、社員を自分の家族だとみなせば、体調が悪いなら休んでほしいと思い、子どもとの時間を大切にしたいなら早く帰れば良いと思うのが自然なことでしょう。簡単に言えば、社員の幸せを実現するために、会社が働き方を改善するという考え方が『Treatasa family』なのです。私はベストな経営をすることが責務だと考えているので、それを実現するために365日働いています。しかし、この姿勢を職員に強要することは決してありません」。では、今回の出版もこの考え方を広めるためなのでしょうか。本書に込めた本当の〝想い〞について聞きました。「会計業界で働く人に夢を与えることが、最終的なゴールです。価格競争による顧問料の低下で、給与も労働環境も適切なレベルを維持できない事務所が増えてきています。それでは、働く人が希望を抱けないのも当然です。最初のステップとしてこの仕事を『楽しい!』と思えるような心の余裕を持ってもらうためにも、まずは給与体系や労働環境の整備から始めるべきだと考えています」。最後に、今後の展望について話を聞きました。「『目指せ100人事務所!』のようなアグレッシブな目標は掲げていません。大概の人は『利益を10億円にするぞ!』という事務所より『みんなで夏休みを2週間取るぞ!』という事務所の方が、居心地が良いと思うのです。職員全員が良い環境で働くためには何人体制が最適なのかを見極めながら、マーケットに合わせて拡大していきたいですね」。   『日本一働きやすい会計事務所』 単行本:192ページ 出版社:株式会社クロスメディア・ パブリッシング 発行日:2018.8.7 ※アンケートにお答えいただいた方全員に本書をプレゼント! 詳しくはこちらをご覧ください    2018.10.30
  • セミナーレポート<ビッグファーム・ネットワーク発足記念セミナー>

    士業の先生方向けに開催された注目のセミナーを紹介!今回は、会計業界で屈指の人材定着率を誇る事務所の代表が、退職を予防するための施策や、業務効率化の工夫を公開する。 第1部講師瀬谷幸太郎氏職員が辞めない仕組みで将来の人手不足に備える2011年に開業してからずっと、〝人が辞めない事務所づくり〞を人事戦略の基本に据えてきました。理由は、人が採用できないという問題が発生することを先読みしたからです。取り組みは大きく分けて4つあり(左図参照)、結果として〝設立から6年間で退職者ゼロ〞を実現できました。弊社で「辞めたら次を雇えば良い」という考え方は通用しません。すぐに結果を出せない〝晩成型〞の職員でも、時間をかけて教育し、戦力に変えています。教育面でカギとなっているのが『キャリアプラン』。あらかじめ、年次終了後の担当件数と個人売上高を記入しておき、その目標が達成できるように研修や指導を行っています。これからも生産年齢人口は減り続け、採用は厳しさを増す一方でしょう。弊社では昨年から人事・採用の専任者を1名置いて、いっそう力を入れています。〝カッコよくて勢いのある若者を多数抱える会社〞としてのブランド化を目指しているので、税務の経験よりも営業力や社会人経験を重視して、採用活動を続けています。 第2部講師清田幸弘氏新手法を積極的に導入し働き方を常に見直す私のポリシーは、良いと思ったものをすぐに取り入れること。〝残業を減らし、業務効率を上げる〞という目的においては、最新のITツールを多く導入してきました。  2018.07.30
  • 社員がやる気になる褒め方

    社員がやる気になる褒め方 最近の若いものはちょっと注意すると辞める、 どうすればいいんだ! こんな経営者の悩みを聞きませんか? 注意しても伸びないならほめて伸ばす。 うちはとにかく褒める、とにかく褒めて伸ばせ。 そんな考え方を聞いたことがある方も多いと思います。 え、褒めても伸びない社員がいる・・・・。 確かに人によっても差がありますね。 褒めるに関しては、賛否の意見があります。 褒める方法を間違えると逆効果になることもあるので要注意です。 褒めるにも方法があるので、知らないと大変なことになります。  モチベーションの上がる褒め方は「結果」ではなく「行動」にフォーカス こんな実験がありました 。ひとクラスの 子供達を二つのグループに分けて1つのグループには取った成績を褒め、もう1つのグループには頑張った努力を褒めました。その後各グループの子供たちはどうなったと思いますか?成績を褒めたグループは、簡単なテストと難しいテストを選ぶ際に簡単なテストを選択。また、クラス全体の成績についての質問では、良い点を取ったグループと点数が低かったグループ、どちらのグループが気になりますか?という質問では、成績を褒めたグループの子供たちは、「テストの点数が低いグループのメンバーが気になった」という子供が、頑張った努力を褒めたグループの子供よりも多かったのです。他にも成績によってご褒美を与えたグループとご褒美を与えなかったグループに分けたところ、成績が良いとご褒美がもらえるグループでは初めのうちは成績が良かったものの次第に成績は下がって行きました。ご褒美は良い成績を取るために勉強を頑張るというモチベーションには繋がらなかったのです。これらのことから、モチベーションの上がる褒め方は「結果」ではなく「行動」にフォーカスを当てて褒めることが大切なことと、お分かり頂けると思います。 モチベーションをあげる5つのヒント人のモチベーションをもっと効果的に上げるにはどうしたらよいのでしょうか?以下の5つのことがヒントになります。 具体的にどの行動が良かったのかを明確にして褒める。 すぐに褒める。 失敗しても褒める。 伸びてほしいと思う項目を何度も褒める。 心からできると信じて褒める。以上の5つです。1の具体的にどの行動が良かったのかという内容を褒めるには褒める側もよくその人を観察していなければなりません。適当に褒めるのは、ダメです。どこがよかったのか、日頃からの観察が大切。メモに残しておきましょう。2は、すでに何日かたってしまったことを思い出して褒めても、褒められた方も何のことだか記憶が薄れてしまい、喜びを感じることが出来なくなります。 即時フィードバック=すぐに褒める褒められた事項がどのことについてか、リンクできることが大切です。1か月後とかに言われても行動と結果の紐づけが難しく、褒められてもどの事項かがわかりにくいと効果がありません。 良い行動=すぐ褒める これだとすぐ結果がわかるので良い行動の強化がされやすいのです。3.「失敗したら褒めることなどない。」と、思われるかもしれませんが、失敗は成功の元。完璧な成功だけを求めると、求められた人は、失敗を恐れ、チャレンジをしなくなります。「着眼点は良かった。」「行動力は素晴らしかった。」「取り組んだことが素晴らしい。」など結果ではなく、努力を褒めるという事の意味はここにあるのです。そして、褒められた人は「次は成功できるよう頑張ろう」という失敗を恐れず何度も挑戦していく粘り強さを身に付けて行き、その結果、成功するごとに自分への自信も(自尊感情とも言います)更に身に付けて行くのです。これは、子供だけではなく、大人にも十分いえることなのです。失敗しても褒める。知人に外資のマネージャーになった人がいました。外資では日頃から”褒める“コミュニケーションが盛んにおこなわれているそうです。知人の外資のマネージャーも”褒める”を意識してできるだけ褒めるようにして点数でいうと60点以上の人には褒めることを心がけていたそうです。ところがそれを見ていた上司からどうして30点でもほめないんだと、ほめるトレーニングプログラムを受けるように指示されたそうです。それ以来どんな些細なことでも見逃さずに褒めるようにしたそうです。失敗してもどこか褒める点はあるはず、そういう視点で部下を見れないと上司としてはダメと釘をさされたそうです。部下に対しても”褒めるところ”にフォーカスが当たっているため、日本人特有のできないところ探しではなくいい点に集中しているので自然にポジティブな褒め方ができるようになったそうです。4.自分は頑張っているつもりでも、傍から見たら、方向性が間違っている事や、その人の考え方の中に凝り固まってしまっていて、結果が出せなくなっていることが分かることがあります。そう言った場合、上から「こうしろ」と指図しても本人は頑張っているので、反感を買いかねませんし、かえって頑なに自己流を押し通して大失敗するかもしれません。そんな時は、人の意見を聞いたことを褒めたり、別の方法にトライしようとしていることを褒めたりと、適切な個所を褒めることで、本人が知らないうちにあなたが伸びて欲しいと思う項目に向かって努力できるように、伸びて欲しいと思う項目について行うチャレンジを褒めることが大切です。また、人は思い込みの動物です。何度も何度も褒められているうちに、「自分はそこが良い所なんだ。」「褒めてもらえるところなのだ」と勘違いし、そうあろうとしていくのです。部下を指導している方は、褒めたら増長すると思う方もあるかも知れませんが、結果ではなく、本人の努力であれば大丈夫です。5.3.で失敗は成功の元と言いましたが、失敗しても必ず立ち上がり成功をつかむのだとあなたが確信することです。人は相手の気持ちを察知することが出来る動物です。「褒めてもらっても上の空のよう」とか、「本当に私の事を思って褒めてくれているのかな?」と相手が察してしまうようでは信頼関係も崩れかねません。是非、あなたが相手の、部下の成功を信じてあげてください。この5つのポイントに留意して褒めるを習慣化しましょう。  褒める、褒められるの注意点合せて注意点も記載いたします。 まずはセクハラにならないように、相手の身体的特徴は言ってはならない点ですね。それから、褒められた側の人が取ってはいけない態度についてです。自身が褒められた時 謙遜しすぎないという事です。日本人は謙遜を美徳としてきました。それは素晴らしい文化ではありますが、自分の努力を褒めてもらっている時に謙遜は不要です。あなたが努力したことを認めてもらっているのですからどの行動がよかったのかを聞いて、更に励みにするぐらいでちょうど良いのです。 ほうびを与える褒めた方の注意ほうびで釣る、例えばボーナスを支給する際にも注意が必要なのです。 ワンランク上の褒め方さらにワンランク上の褒め方のコツは「頑張ったね」「すごいね〜」と言うよりもI(私)メッセージを使う事です。 「私はすごいと思ったよ」「私はよく頑張っていると感心しているよ」と、アイメッセージを使い、起こった出来事や、相手の行った事実に加えて、あなたの感情を入れるとあなたのメッセージは強力で、かつ効果的に相手に伝わります。  1. YOUメッセージ「YOUメッセージ」とは、「あなた(YOU)」が主語になって発せられるメッセージを指します。 「あなたは○○だね」と相手を主語にして観察したことや感じたことを伝えるメッセージです。  2. Iメッセージ「Iメッセージ」とは、発信する人の「私(I)」が主語になって発せられるメッセージを指します。私はあなたを信じているといことも伝わりやすいですね。 上級編先程、相手の行動を褒めると言いましたがそれ以外の点ではどこが褒めるポイントでしょうか? それは次の4つです。1. 信念や想い2. 能力3. 行動4. 外見伝え方にはコツが必要です。付き合いの長い短いがあり本人のことをよく理解している場合は、1の信念や想いを承認することも大切です。「心から顧客のことを大切になさっているのですね」「世の中の貢献につながることを考えて行動してるんだね」などです。2の能力は、見分ける能力が高い、いつも勉強しているんだねなど本人の努力+能力、学習面などを承認するとよいでしょう。3の行動は、そのままを言葉にして承認+感謝など感情の部分を添えましょう。「朝早くから対応してくれたんだね、ありがとう」「今日はサポートしてくれて助かったよ」4、ここは外見や環境的な部分です「スーツが似合っている」「ジャケットのセンスがいい」「靴がおしゃれ」「時計のデザインが格好いい」「シャツの色が良い」女性でしたら「ネックレスが素敵」「バックの色がきれい」など、本人なりのこだわりや個性が反映していることを褒めましょう。 本人の努力やセンスと関係の薄いことは褒めるのを控えるのが基本一方、背が高い、美人、イケメン、色白など、本人の努力やセンスと関係の薄いことは褒めるのを控えるのが基本です。言ったほうは褒め言葉のつもりでも、相手に意図を誤解されたり、注意の事項でもあげましたが、セクハラと受け取られるおそれもあるので注意しましょう。いかがだったでしょうか? 一口に褒めると言っても少しの知識をもって対応するだけで部下のやる気もあがり、組織の活性化につながります。ぜひ、人の行動をより観察して褒める達人になっていただければ幸いです。  2018.07.10
  • 弁護士業界の今後 -組織内弁護士と外部弁護士の協働

    組織内弁護士の強みと限界組織内弁護士とは、文字通り組織の内部、つまり、民間企業や行政機関に、役員や従業員として勤務する弁護士をいいます。組織内弁護士と外部弁護士との役割の違いについて、日本組織内弁護士協会(JILA)のQ&Aでは、以下のように説明されています。『現場の業務に密着している以外にも期待される役割自体が大きく異なります。企業の法務部門の業務は、 法的問題の把握 解決方針の策定 案件処理 案件の終結 日常業務へのフィードバックという流れを辿ります。このうち、一般的に外部弁護士に期待されているのは「3 案件処理」ですが、組織内弁護士には、その前後の「案件の入口」と「案件の出口」の管理についても期待されています。』 ビジネスの現場に踏み込んだアドバイス組織内弁護士は、組織や事業全体の状況を日常的に把握することが可能なため、その分、「案件の入口」や「案件の出口」といった、よりビジネスの現場に近い場面で、より踏み込んだアドバイスができる点が、強みであると言えます。逆に、外部弁護士に対しては、「外部弁護士に依頼する際は、組織の内情や背景から説明しなければならず、また、説明しても完全に認識を共有することは難しい」「外部弁護士のアドバイスは、一般論に過ぎず、実務に役立たない」などという声も、耳にするところです。 得られる知識や経験に限界他方で、組織内弁護士の歴史自体が浅いこともあり、組織内弁護士の中には比較的若い年次の弁護士が多いです。2018年のアンケート調査によると、もっとも多いのは弁護士経験年数が5年~10年の弁護士(43%)、ついで5年未満の弁護士(36%)となっています(日本組織内弁護士協会 「企業内弁護士に関するアンケート集計結果」より)。また、法律事務所での勤務経験がなく、修習が終わってそのまま組織内に入っている弁護士も珍しくありません。そういった組織内弁護士に対しては、「法的な知識や経験が不十分である」「資格のない法務部員との違いを感じられない」といった厳しい声も、耳にするところです。組織内でももちろん多くの経験を積むことができますが、外部弁護士の方が、複数のクライアントを同時に担当できる、また、他の弁護士との情報交換や議論をしやすい、という点において、より幅広い知識や経験を得やすい傾向にあると言えます。 意見交換の場が少ない組織内弁護士には、大きな強みがある一方で、限界もあります。外部弁護士にも、それと裏表のものとして、強みと限界があります。しかし、組織内弁護士と外部弁護士とは、互いの強みや限界について認識しながらも、積極的に意見交換をすることはあまりないように思われます。これはなぜでしょうか?理由としては、弁護士同士で遠慮しているということがまず考えられます。また、「自分の職域を守れるように」と牽制し合っている面も否定できないように思います。つまり、社内弁護士と外部弁護士とは、組織からの信頼をどちらが得られるか、案件の処理をどちらが任されるか、という点において、ある意味ライバル関係にあるとも言えるのです。 組織内弁護士と外部弁護士の協働しかし、このような状況は、お互いにとって勿体ないですし、何より組織の利益に繋がりません。せっかく同じ弁護士同士なのですから、率直な意見交換を行い、より密接な協働関係を築いていくことで、弁護士業界全体に対する信頼をさらに高められるのではないでしょうか。 組織の内情についての情報共有前にご説明したように、組織内弁護士は、ビジネスに近いより踏み込んだアドバイスができる点が強みといえますが、外部弁護士はこれができなくても良いのか、というと、決してそういうわけではありません。組織内弁護士には敵わないとしても、会社の内情に少しでも即したアドバイスができるに越したことはないですよね。組織内弁護士から外部弁護士への情報共有を、案件が発生したときに限らず、日頃から行っておくことが望ましいと思います。もちろん、一般の社員から説明することもできますが、組織内弁護士は、組織の内情の中でも、法律上問題となりそうな部分をより効率的にピックアップし、外部弁護士に伝えることが期待できます。顧問弁護士と法務部との共同の勉強会などを行っている組織は既にあると思いますが、外部弁護士の側からも積極的に依頼し、充実した情報共有を行っていくことが望ましいと思います。その結果、これまでは「どうせ外部弁護士に相談しても通じない」。と組織内で完結してしまっていた部分についても、外部弁護士から新たな視点がもたらされることもあるのではないでしょうか。 法律事務所における組織内弁護士の研修他方で、実務の経験が浅い組織内弁護士については、顧問法律事務所などにおいて、一定期間の研修を行うことが考えられます。法律事務所から顧問先企業などに出向するケースはよくありますが、組織内弁護士が法律事務所で経験を積むというケースはあまり聞きません。法律事務所で組織内弁護士を受け入れることについては、法律事務所の他のクライアントとの関係におけるコンフリクトなど、難しい問題があるためかもしれません。しかし、経験豊富な弁護士に指導を受けたり、幅広い案件を経験することは、組織内弁護士としてのスキルアップに効果的であると言えます。こうして経験を積んだ弁護士が組織内に戻れば、外部弁護士としてもスムーズにやり取りが行えるようになり、組織の利益にもつながるでしょう。 案件処理における協働案件処理においては、契約書審査などの小規模な案件は組織内弁護士、高い専門性や作業量が求められる業務などは外部弁護士、というように、役割分担がなされていることが多いように思われます。外部弁護士に依頼するケースについても、完全に丸投げするのでなく、組織内弁護士が一緒に関わることはもちろん少なくないでしょう。このような場合であっても、特に組織の規模が大きくなればなるほど、組織内弁護士が単なる窓口や調整役になってしまうことがあると聞きます。しかし、弁護士が窓口や調整役に徹するというのは、とても勿体ないことです。「役割分担」と割り切るのではなく、より実質的に協働していける方法を、考えていくべきではないでしょうか。たとえば、外部弁護士への依頼にあたり、まず社内弁護士が、複雑な事実関係や論点を紐解いて分かりやすく整理し、外部弁護士に伝えるということは一つです。これ以外にも、社内でしか分からない細かな事情に関する書面のドラフトを組織内弁護士に作成してもらえたら、外部弁護士としては大変ありがたいと思います(一般の社員の方は、文章を書く、ということ自体に慣れていない方が多いです。そのため、書面の作成は、法的検討と同じくらい、弁護士ならではの役割と言えます)また、一般の社員の方が言いづらい外部弁護士への不満や疑問点などを社内弁護士が代わりに伝え、率直に意見交換をすることなども、社内弁護士が社員でありながら一歩引いた立場にあるからこそ、できることであるといえます。一般の社員と外部弁護士との間の距離感は、弁護士が自覚している以上に大きいことがあります。社内弁護士を介して、この距離を縮められるよう、外部弁護士の側からも積極的に働きかけていくことが望ましいと思います。 さいごに現在、弁護士業界は過渡期にあります。弁護士数が増加し、競争が激化するとともに、組織内弁護士をはじめとする様々な働き方が生まれています。その中で、弁護士同士、「自分の仕事が減らないように。職域を守れるように」。と牽制し合っている面も否定できないように思います。しかし、組織におけるコンプライアンスやガバナンスの重要性はますます大きくなり、これらの重要性に対する意識も高まってきています。弁護士同士で少ないパイを取り合うのではなく、全体のパイを拡大していく方向に協働していくことが、弁護士にとっても、クライアントにとっても、最も望ましいことであるのは間違いありません。日本組織内弁護士協会(JILA)のQ&Aでも、『組織内弁護士が増えると、顧問弁護士の仕事はなくなってしまうのでしょうか?』との問いに対し、以下のような回答がなされています。『組織内弁護士の人数が増えると、その企業や組織が外部の弁護士に発注する業務量は増加する傾向にあると言われています。組織内弁護士が問題点を次々と発見して業務を外部に発注するためです』。組織内弁護士と外部弁護士とがより密に協働し、弁護士業界全体への信頼を高めることで、パイを拡大していく。これが、弁護士業界の今後が明るいものとなるための、第一歩ではないでしょうか。  2018.07.09
  • これからの主流は 〝ラクして得する〞働き方 ~この本に学ぶ~

     常識をアップデートし根本的な問題を解決する2014年から『業務改善・オフィスコミュニケーション改善士』として活動してきた沢渡あまね氏。IT企業でシステム運用に従事していた経験を活かし、そのプロジェクトマネジメントの手法を、一般業務の問題解決に応用してきた。本書で提示している問題解決策も、IT企業で用いていた手法が元になっているといいます。今までに80社以上の働き方を改善してきた沢渡氏に、職場で起こる問題の〝諸悪の根源〞とその対処法について尋ねました。「いまだに根強く残る〝気合いと根性主義〞だと思います。『過去に自分たちが苦労しているんだから、後輩の君たちも苦労してね』という考え方はもう古いんです。これからは、〝ラクして得する〞働き方ができる環境を整えられるか否かに、組織の存続がかかってくるでしょう。なぜなら、それを実現している企業に、優秀な人材が集まるようになるからです。小手先の制度づくりに留まらない〝働き方改革〞を実行するためには、無駄が多い〝日常の当たり前〞を見直して、常識をアップデートする意識が大切なんです」。  2018.06.29
  • どこよりも早く人財開発の潮流が分かる! ATD2018最速レポート!

    “従業員と経営者のパフォーマンス向上の支援”をミッションとした世界最大の会員組織、ATD(AssociationforTalentDevelopment)。彼らが主催する米国サンディエゴの国際会議に、世界中から1万3000人が集結。加速度的に進化する人財開発の最先端をレポートします! 士業業界の未来はアメリカからやってくる!5月6~9日に開催されたATD国際会議。カンファレンスでは、ラーニング・テクノロジー、リーダーシップ開発など14カテゴリーに分かれた300以上のセッションが開催。また出展ブースでは、400以上の人材開発分野のベンダーによる商品やサービスが紹介された。市場から求められる、士業業界の次のサービスとは何か?このチャンスをものにするには何が必要なのか?それらの課題と展望を中心にご紹介します。「日本の10年先を行く」と言われているアメリカでは、税務申告や監査はAI・クラウド化の発展により効率化されてきました。今後さらに低価格化が進むことでしょう。そのような動きの中から勃興したのが、ヒューマンリソース(以後、HR)のビジネスです。人を資源に、どう会社の目指す方向に持っていくか。少子化が加速し、『働き方改革』が叫ばれる今、このHRは次の大きな流れになるでしょう。HRビジネスの入り口は採用です。そして、人事情報管理などもHRビジネスの一環です。職員をどのように評価し、いくらの給与を払うのか、ということも絡んできます。"皆さんは給与の仕組みを習いましたか?" 2018.06.13
  • 数字は語る!売上・従業員を増やすためにも 〝働き方改革〞が効果的

     顧問先の業績を上げるため〝働き方改革〞を支援しよう開業後4年以内の企業のうち、ほぼ100%に『柔軟に働ける企業にしたい』という意向があります(図1)。実際のところ、特に『在宅勤務制度』と『フレックスタイム制度』の導入率は、既存企業よりもかなり高くなっています(図2)。また、売上が増加している企業の割合は、柔軟に働ける制度の利用者がいる企業の方が高い傾向にあります(図3)。このような制度導入が業績に影響していることを鑑みると、『働き方改革』は中小企業にとって無視できない課題なのかもしれません。一方で、開業4年以内の企業が既存企業に比べて大きく出遅れているのが、育児休業の利用率です(図4)。退職者の中には、『仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさでやめた』という人も一定数います(図5)。このような事態を避けて人材を確保するためにも、働き方を変える制度を導入し、確実に運用していくべきです。  2018.05.10
  • 働く女性の味方、女性社会保険労務士が増加! その理由とは?

    士業のなかでは女性の割合が高いと言われる社会保険労務士(以下、社労士)。昨年の社会保険労務士試験の結果では、合格者の35%以上が女性でした。では、なぜそのこまで女性に人気の職業となったのでしょうか? 社労士としての様々な働き方企業の成長には、ヒト・モノ・カネが必要だといいますが、社労士はその中でも“ヒト”に関する専門家であり、『労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること』を目的として業務を行っています。主な業務内容は、“労働・社会保険に関する諸問題”や“年金の相談”に応じるなど、多岐に渡ります。では、社労士としての働き方はどのようなものがあるのでしょうか?それぞれのメリットと共に見ていきましょう。 1.社会保険労務士事務所への就職<メリット>・専門家集団であるため、対外的な信頼を得やすい・複数の社労士がいるため大規模な案件にも対処しやすい・自身の専門外分野の業務でも、チームで対応することが可能社労士事務所は、社員の数が5人以上いれば大きい方で、事務所の数は無数にあります。そこで働く多く社労士は、将来的に独立することを目指しています。もちろん、資格取得後すぐに開業しても、実務経験がないため、経営していくのは厳しいでしょう。そのため、独立を目指す多くの社労士は、資格を取ってからの数年間を“修行期間”だと考え、社労士事務所に就職するのです。  2018.03.13
  • あなたの事務所は大丈夫!? 士業事務所に求められる『働き方改革』とは?

    2016年9月に安倍晋三首相が提唱した『働き方改革』。この改革では、“少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少”や“育児や介護との両立”、“長時間労働の是正”など、様々な課題を解決するべく、ワークライフバランスを実現しようと、国が主体となって動いています。その取り組みに合わせて、一般企業では様々な“改革”が行われているなか、会計事務所における働き方改革はどのように実現していけるのでしょうか?  2018.02.26
もっと見る