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  • 法律の分野でも進む「〜テック」

    最近、新聞やニュースなどで見ない日がない言葉の一つに、「~テック」という言葉があります。これは、ICT技術の急速な進展に伴い、それまでICTと距離のあった分野に、ICT技術を用いて時間やコスト、そして仕事そのものを省略化する技術のことを言います。現在、最も世間で注目されているのは、ブロックチェーン技術に代表されるようなフィンテック(FinTech)ではないでしょうか。一時期は名前を聞かない日がなかった、コインチェック株式会社も、日本におけるフィンテック分野の代表的な企業です。一方で、筆者および士業の皆様に身近な法律の分野でも、ICT技術を使って、裁判、行政、契約などの従来業務の省略化や、士業や企業法務に向けたサービスを提供するリーガルテック(LegalTech)が進展しておりますので、今回はその動向を紹介したいと思います。 日本の法律業務の現状リーガルテックの説明の前に、現在の一般的な法律業務の説明をします。裁判などの法律業務では、膨大な量の証拠を印刷した書面の形式でやりとりをしており、その中から適切な証拠を見つけ出すだけでも一苦労な状況です。 よくある離婚訴訟 ~膨大な書面資料が手間になる~例として、夫の不貞を原因とした離婚訴訟を考えてみましょう。不貞の証拠として妻があげるものには、LINEなどのSNSの履歴のスクリーンショットや、メール、写真などがあります。また、妻の考えなどをまとめた陳述書も証拠となります。さらには代理人弁護士が作成した書面などがあり、これらは全て、印刷した書面という形で裁判所および相手方に提供しなければいけません。半年以上続く訴訟手続きの中で、証拠の数は膨大なものになり、100を超える場合もあります。その中から提示したい証拠を見つけ出すのも難しい状態になりますし、裁判期日に、代理人弁護士の所属事務所から裁判所まで持参すること自体も一苦労です。また、そのような書面を裁判所へ提出する方法も、特に訴えを提起する段階では、直接裁判所に(もちろん平日の9時から17時の間に)持参するしか方法がなく、その際も訴状と膨大な証拠を複数の部数印刷をして持参する必要があります。 リーガルテックの出現で大幅な工数削減に一方で、リーガルテックとは、法律(リーガル)と技術(テクノロジー)を組み合わせた用語で、法律業務を支援するテクノロジーを総称します。リーガルテックが発展してきた原因は、いうまでもなく、IT技術の進化により、あらゆるデータがデジタル化して来たことです。先ほどの離婚訴訟で証拠として挙げられていたパソコンやスマートフォンでやりとりされる情報である、メール、チャット、Word、PowerPointやPDFなどの文書ファイルは、全てデジタルデータとして蓄積されます。これらのやりとりを、紙を使わずにやりとりできる技術、これもまさにリーガルテックです。 アメリカのリーガルテックの状況他の「~テック」の領域でもそうなのですが、リーガルテック分野でも、最も先進的なのはアメリカと言えるでしょう。すでに2006年には、民事訴訟における電子情報開示制度(一般的に「e-discovery」と呼ばれています)が整備されました。これは、民事訴訟における証拠開示(裁判所および訴訟の相手方への証拠を提出すること)を、電子的手続きによって行うことを意味します。対象となるのは、メールやインスタントメッセージを含むチャット、Word、PowerPointやPDFなどの文書、CADやCAMのファイル、ウェブサイトなど、全ての電子的に保存された情報であって訴訟の証拠になりうるものです。これらは先ほど挙げた離婚訴訟におけるほぼ全ての証拠が該当します。これらの証拠は、電子的に記録され、デジタルデータとして裁判所および相手方当事者に提出されるため、紙で印刷する必要はありません。また、データとして扱えることの特徴として、分類や整理、検索といった作業が非常に容易に可能です。アメリカの民事訴訟手続きのうち、当事者双方の証拠開示は、インターネット上で行われます。E-discoveryと呼ばれるこの手続きは、日系企業もアメリカで訴訟を抱えることが増え、一般的にも知られるようになりました。また、契約書の締結においても、日本よりも数年先んじて、ペーパーレスが進展しています。通常の契約書締結過程では、少なくとも契約書への捺印の時点で、契約書を印刷し、実際に捺印するという作業が発生します。また、社内フローとして、捺印のチェックを、印刷した紙を閲覧する形で行っている会社もまだ多くあります。このような一連の作業をすべてWeb上で完結するサービスが多く展開されています。 日本の行政手続き・司法手続きの電子化日本における行政手続き、司法手続きにおいても、電子化が進められています。これらも、特に司法手続きに関しては、リーガルテックの試みと言えます。行政手続きでは、総務省行政管理局が運営する総合的な行政情報ポータルサイトである電子政府の総合窓口(e-Gov)が、省庁横断的な電子化の取り組みとして注目されます。例えば、健康保険や厚生年金保険、雇用保険や育児休業給付金などに関する諸手続きを行う場合、申請者はe-Gov 電子申請に対応したソフトを利用して、申請データを作成し、必要に応じて電子署名も行います。その上で、一括申請システムを利用すると、全データが圧縮されたZIP形式で一括送信し、申請が可能です。そのほかにも、国税電子申告・納税システム(e-Tax)や地方税ポータルシステム(eLTAX)など、税務分野でも電子化が進んでいます。しかし、これらのインターネット上での電子上の手続きには、Windowsでしか利用できなかったり、利用時間が平日に限られていたりと、使い勝手に大きな問題があります。特に、e-Govについては利用率が1割に満たないなど、普及の点でも大いに問題があります。また、「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)に基づいて、裁判手続等のIT化検討会が開催され、2018年3月30日に、「3つのe」の実現を骨子とするまとめが発表されました。「3つのe」とは、民事訴訟手続における① 提出(e-Filing)② e法廷(e-Court)③ e事件管理(e-Case Management)を指します。①e提出(e-Filing)は、アメリカにおけるe-discoveryの実現のみならず、裁判所に紙媒体で提出することが必要だった訴状についても24時間365日提訴を可能とすることを目指しています。電子的に提訴された裁判を、テレビ会議もしくはウェブ会議形式で行うことを内容とするのが②e法廷(e-Court)であり、その事件の進捗管理および証拠管理を行うのが③e事件管理(e-Case Management)です。これらが実現すれば、かなりの影響が出ると思われますが、残念ながら実現の時期・目処はこれからですので、まだしばらくアナログな時代が続くと思われます。 日本で進む、ベンチャー企業のリーガルテック行政・司法の状況と比較し、進んでいると思われるのが、主にベンチャー企業に主導されるリーガルテックです。先に述べたe-discoveryへの対応や、スマートフォンやパソコンに記録されたデジタルデータを復元するデジタルフォレンジック技術がまず発展しました。しかし、本記事執筆時の2018年6月現在において最も注目されているのは、知的財産・特許の出願や管理関係と、契約書の作成・管理関係と言えます。 特許まわりと契約書の作成・管理に着目した「弁護士ドットコム」前者については、特許庁のデータをAIが分析し、審査官の判断を学習することで、そのアイデアの特許出願が可能かどうかのシステム構築を進めている企業もあります。後者について、現在日本国内で最もシェアを得ているのが、弁護士ドットコムが運営する「クラウドサイン」と言うサービスです。これは、契約締結時に必要な「紙と印鑑」を「クラウド」に置き換え、契約締結作業をパソコンだけで完結させるものです。さらに、契約書締結自体がクラウド上で、ペーパーレスで行われるため、印紙税が課税されません。さらに、クラウドサインで合意締結されたすべての書類には、クラウドサインのみが発行可能な電子署名が付与されますので、それにより真正な書面かどうかを判別することができます。ちなみに、電子署名の仕組みには、強固な暗号化方式によって守られている公開鍵暗号方式に基づくデジタル署名を採用しているそうで、この署名方法のみならず、契約書のやり取りにおいても安全性に配慮されているとのことです。 クラウドサインの導入は2万社を超えるクラウドサインのサービスは、インターネットに接続できるパソコンがあればすぐにでも導入できるため、非常に手軽であり、導入企業も既に2万社を超えています。企業内で契約書に関連する業務を一手に担っていた経験からすると、完全なペーパーレス、印紙税非課税、収納場所不要、というのは、かなり大きな魅力です。 他社サービスとの連携体制も充実また、他に注目されるべきポイントは、他社・他業種との連携です。管理系システムを新たに導入する企業にとっての障壁で最もよく見られるものは、既存システムとの統合可能性ではないでしょうか。クラウドサインは、業務管理系アプリケーション最大手のsalesforceやサイボウズとのAPI連携を実現しているため、そのような障壁を超えることができました。導入により、契約締結についての社内りん議と締結後の文書管理を既存システムで行い、その間の契約締結作業をクラウドサインで行うことが可能です。 他業種との連携例 ~株式会社 LIFULLの例~他業種との連携において最も注目されるのは、不動産情報サイトを提供する株式会社 LIFULLとの提携です。2017 年 10 月から、これまで対面が原則とされていた不動産契約における重要事項説明について、賃貸分野ではオンラインでの実施(IT 重説)が解禁されるなど、ICT を活用した業務効率化の動きが出てきています。両社は、賃貸不動産の選択・ウェブカメラ等による内見・IT重説・契約締結の全てをオンラインで行える不動産会社向けの電子契約プラットフォーム構築を目指して、業務提携しました。自宅にいながら不動産が借りられる時代が、もうすぐそこまで来ています。 まとめまだまだ始まったばかりの日本におけるリーガルテックですが主に民間主導でますます進展していくと考えられます。それとともに、従来士業の仕事と思われていた業務も、そう言ったリーガルテック企業のサービスにますます代替されていくことが当然予想されます。旧態依然としたところが多い法律業界に大きな風穴を開け、利用者への利便性がより向上することは歓迎されるべきです。同時に、士業にとってはますますチャレンジングな時代になったと言えます。  2018.07.13
  • 【若手社長の開業日記】知人が抱えていた会社設立の悩みを解決できず悔しさをバネに突き進む

    「会社設立について知人から相談を受けたとき、すぐにアドバイスできなかったのが未だに心に残っています」と語るのは、野末和宏公認会計士・税理士。当時習っていた英会話の先生から「独立して自分の英会話スクールを設立したい」との相談がありましたが、税務や届出など具体的な実務がわからず、野末氏はアドバイスを言えませんでした。この経験を悔しく感じた野末氏は、会計のプロである“公認会計士”を基盤としながら包括的な経営のサポートができる“税理士”への道を歩み始めました。 責任者としての成長を目指し独立開業の道へ大手税理士法人に入社し、約20社の法人をサポートしていた野末氏。覚悟を決めて前向きに働いている経営者の影響を受け、自身も急速に成長しているように感じたといいます。独立開業に至ったのも、自身をより高めるためだったと野末氏は話します。「税理士法人に勤務していたときも、お客様から感謝の言葉を多くいただき、充実した日々を過ごしていました。ただ、一担当者としてではなく責任者となって、お客様が満足するサポートをしたいという思いが強くなり、独立を選んだのです」2016年に開業した野末公認会計士・税理士事務所は、若手経営者や不動産投資家へのサポートが売り。今後の目標を聞かれた野末氏は、「英会話教室の先生の相談を解決できなかった悔しさがあるので、これから当事務所に来てくださる方々には、満足のいくサポートを提供していきます」と力強く語ってくれました。 プロフィール野末 和宏(のずえ かずひろ)氏 1982年 埼玉県志木市で生まれる2008年 公認会計士試験に合格。有限責任あずさ監査法人に入社2013年 税理士登録2016年 野末公認会計士・税理士事務所を開業野末公認会計士・税理士事務所(東京都中央区)クラウド会計ソフトを積極的に導入するなど、ITに強い税理士事務所。開業支援や節税対策など、若手経営者や不動産投資家をサポートするサービスが充実している。 2018.03.12
  • 超大型イベント『士業交流フェスタ』出展ブースレポ③ ~FinTech/SaaS企業で国内初の上場を果した株式会社マネーフォワード~

    今年1月19日に東京・品川インターシティホールにて開催された大型イベント『士業交流フェスタ』。参加者650名、出展企業50社という今までに類を見ない規模での開催となり、各出展ブースも大変な賑わいを見せていました。そこで今回、士業と企業をつなぐ参加型展示イベントとなった出展ブースにて、プロパートナー編集部が突撃取材を敢行しました。第1回はユーザー数80万人突破を実現したクラウド会計ソフト“freee”を運用するfreee株式会社、第2回は人事労務の手続きを簡単・シンプルにするクラウド人事労務ソフト“SmartHR”を提供している株式会社SmartHRをそれぞれピックアップ。『士業交流フェスタ』への想いと今後の展開について話を訊きました。そして第3回となる今回は、ビジネス向けクラウドサービス“MFクラウドシリーズ”や自動家計簿・資産管理サービス“マネーフォワード”を提供する株式会社マネーフォワードをご紹介していきます。 金融関連サービスとの“連携”を強みにバックオフィスの生産性向上に貢献!MFクラウド事業推進本部営業戦略部大佐古氏へ突撃取材!Q:『士業交流フェスタ』に参加してみての感想を教えてください。税理士の方々をはじめ、様々な士業の方々や金融、保険、不動産業界の方など、広くつながりをもてるとてもいい機会です。多くの方々に弊社の『MFクラウドシリーズ』を知っていただくことができました。 Q:今回のイベントを通して他の出展企業などから気付きを得たことはありますか? 2018.02.20
  • 働き方改革! 今日から始められる生産性向上5つのステップ!

    デスクの両わきや目の前に山積みになった書類、管理できていますか?書類をデータ化すると、机の上がスッキリ片付きますし、データで管理することで活用範囲をより有効的に広げることが可能です。スキャンすることで、資料内に記した会議時のメモ書きを簡単に検索していつでもどこでも確認できます。会議の出席者や議論の流れ、要点をすぐに検索して確認するなど、上手くデータを管理して仕事の効率化を上げスマートなビジネスパーソンへ! 2018.02.19
  • 超大型イベント『士業交流フェスタ』出展ブースレポ② シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト“SmartHR”とは?

    2018年1月19日、参加者650名、出展企業50社という業界では前例のない巨大規模にて開催された大型イベント『士業交流フェスタ』(場所:東京・品川インターシティホール)。士業と企業をつなぐ参加型展示イベントとなった出展ブースに、プロパートナー編集部が突撃取材を敢行しました。前回(第1回)は、クラウド会計ソフト“freee”を運用するfreee株式会社をピックアップし『士業交流フェスタ』への想いと今後の展開について話を伺いました。そして第2回となる今回は、人事労務の手続きを簡単・シンプルにするクラウド人事労務ソフト『SmartHR』を提供している“株式会社SmartHR”をご紹介します! クラウド人事労務ソフト、シェアNo.1!事業開発植田一樹氏へ突撃取材!Q:『士業交流フェスタ』に参加してみての感想を教えてください。私たちが提供する『SmartHR』は、社会保険労務士の先生方にも、顧問先に導入して頂き、ご活用いただいています。これだけの士業の方が一同に会するイベントは他になく、一度に大量の情報を得ることができ、本当に役立っています。 Q:今回のイベントを通して他の出展企業などから気付きを得たことはありますか? 2018.02.16
  • シェアNo.1クラウド会計ソフト“freee” ~超大型イベント『士業交流フェスタ』出展ブースレポ①~

     1月19日に開催され、大成功のうちに幕をとじた士業業界初の超大型イベント『士業交流フェスタ』。このイベントには、業界で活躍する士業だけでなく、士業を支援する業界注目の企業50社も集まり、業界のさらなる発展に寄与しました。今回、プロパートナー編集部は、フェスタに参加した企業の中から、士業業界大注目のクラウド会計ソフト“freee”を運用するfreee株式会社に取材を敢行しました。  ユーザー数80万人、パートナー会計事務所5,200突破を実現!パートナー事業本部下總氏へ突撃取材!Q:『士業交流フェスタ』にご参加された感想を教えてください。税理士の方はもちろん、他士業の方もたくさんいらっしゃっているので、士業業界全体をエネルギッシュに盛り上げることができる、非常に素敵な機会だと感じております。 Q:今回のイベントを通して他の出展企業などから気付きを得たことはありますか? 2018.02.09
  • 編集部が厳選!【書評】10年後も勝ち残る!会計事務所の経理革命

    最先端のクラウドシステム活用で業務効率化&品質向上を実現し次世代型・会計事務所を目指す!企業数の減少、税理士数の増加など、会計事務所を取り巻く環境は年々厳しくなっています。本書では、会計事務所の主業務である記帳代行業務に費やす時間を徹底的に減らし、新しく生まれた時間を税務・会計の専門家にしかできない顧客への情報提供やアドバイスのために費やす――すなわち「経理革命」を実践して、今後10年以上にわたって勝ち残れる会計事務所になる方法を解説します。Amazonで購入する目次第1章 会計事務所を取り巻く経営環境は厳しさを増す一方記帳代行業務だけでは生き残れない時代がやってきた▼日本の経済成長とともに歩んできた会計業界の歴史▼税理士業界を襲う「規制緩和」と「自由化」の波▼過当競争が激化する中、急増する税理士法人 など第2章 ITの進展で進む「企業の税理士離れ」対策を講じなければ税理士業は10年で消えてなくなる▼IT化の波に乗り遅れた会計業界▼アメリカでは3分の2が負け組の「公認会計士事務所」▼企業の税理士離れに拍車を掛ける「自計」と「年一関与」 など第3章 税理士不要の時代に会計事務所が10年後も勝ち残る方法▼38年の会計事務所経営をベースにした「経理革命」▼パソコン会計に限界を感じクラウド会計システムを開発▼顧客先満足度を高めるための財務MASシステムを開発 など第4章 ストーリーで学ぶ「次世代型・会計事務所」の在り方▼STORY①システムのIT化によって会計業務を効率化▼STORY②ネット監査で顧客先からの顧問料値下げ要求に対応する▼STORY③財務MASサービスで顧客企業を蘇らせる など単行本(ソフトカバー): 200ページ出版社:幻冬舎発売日:2015/6/30価格:1512円(税込)著者情報吉岡 和守(よしおか かずもり)北海道出身、1950年生まれ。明治大学商学部卒業後、総合経営コンサルティング会社として、長年の実績を誇るYMグループの総帥を務め、税務会計はもとより各種経営指導、人事教育研修、労務管理までの広範な経営諸問題を包括的にサポートしている。日本ビズアップ株式会社代表取締役、吉岡マネジメントグループ代表、税理士(TKC会員)、BMCネットワーク代表理事。著書に『経営改善計画の立て方・進め方』(明日香出版)、『病院のための経営ビジョン達成型人事制度』(じほう)など。 2018.01.26
  • クラウド会計ソフトの比較及びまとめ

    A税理士事務所はインストール型の会計ソフトを使用していましたが、ある事業主からの「新規開業に伴い、クラウド会計を使用したい」という依頼により、クラウド会計ソフト導入を決めました。 クラウド会計を導入するメリットは? インターネットさえあれば、端末を選ばずどこからでも利用できる インストールやバージョンアップの手間やコストがかからない リアルタイムな経営状態を会計事務所、顧問先の双方で同時に見ることができる レジの売上データや銀行口座、クレジットカードの明細の自動取り込みができるなど、従来のインストール型と比べて手間も省けるため、本業に集中したい事業主がクラウドに切り替えたいというのも当然の流れだと思います。そこで今回は、主なクラウド会計ソフトの特徴や料金をまとめて紹介していきます。 クラウド会計ソフトの比較■freee(フリー)運営元:freee株式会社https://www.freee.co.jp/2013年3月に全自動のクラウド会計ソフト“freee(フリー)”をリリース。Googleマップのパートナーシップ開発などを担当していた佐々木大輔氏が立ち上げた、クラウド会計の先駆け。2017年4月にはユーザーが80万を突破。スマホアプリの機能が充実し、アプリで仕訳入力から申告まで完結できます。さらに、複数店舗展開している大規模な個人事業主向けに設定されたプレミアムプランも特徴的です。▼料金・個人向け980円~3,980円 / 月・法人向け1,980円 / 月(税抜)3,980円 / 月(税抜)サポート:メール/チャット/電話無料体験版あり(30日間) ■MFクラウド運営元:株式会社マネーフォワードhttps://biz.moneyforward.com/2014年2月にMFクラウド(旧マネーフォワード For BUSINESS)をリリース。リリースから約2年で40万ユーザーを突破。インターネットバンキングやクレジットカードなどの取引内容が自動取込でき、その内容に応じて勘定科目や取引先を判定して、自動で仕訳を行ってくれます。また、クラウド型のPOSレジや請求書システムと連携すると、記帳時間を大幅に短くすることが可能。レジデータや請求書のデータを自動で売上として計上するため、漏れや金額の誤差がなくなります。さらに経費精算システムとの連携で経理業務の効率化も実現。そして、仕訳業務のみ“MFクラウド会計”で、そのデータを別の会計ソフトへインポートしたり、クラウド型POSレジと連携して売上管理から会計までワンクリックで繋いだりと、別の会計ソフトを使いながらMFクラウド会計も導入しているケースもあります。▼料金・個人向け0円~800円 / 月・法人向け1,980円~3,900円 / 月サポート:電話/メール/チャット/訪問無料体験版あり(法人は45日・個人は30日) ■やよいの青色申告オンライン / 白色オンライン / 法人用オンライン運営元:弥生株式会社http://www.yayoi-kk.co.jp/『弥生会計 17 AE』に、クラウドとデスクトップの壁をなくす“データ共有”機能が搭載。法人事業主はクラウド版で外部データを自動仕訳して、日々の帳簿作成が効率的に行えます。そして会計事務所は使い慣れたデスクトップ版で、会計データの処理などが行えます。このようにクラウドとデスクトップを連携して選択肢を提供しているのは弥生だけです。▼料金・青色8,640円 / 年 or 12,960円 / 年・白色0円 / 年 or 8,640円 / 年・法人28,080円 / 年 or 32,400円 / 年 ■ハイブリッド会計Crew(クルー)運営元:株式会社アックスコンサルティングhttps://crew-hybrid.com/2014年4月リリースのクラウド会計サービス。簿記知識がなくても簡単入力ができ、Web上の銀行口座、クレジット明細を自動取込。さらにダッシュボードでお金の状況がわかります。他会計ソフトとのデータ連携も可能ですし、会計事務所とのやりとりがシステム上でできます。無料の電話サポートが完備されており、部門別会計にも対応。▼料金・個人向け980円 / 月・法人向け1,980円 / 月サポート:電話/メール無料体験版あり(1ヶ月)----------------------------------------------------------------現在はどのソフトでも無料体験版が用意されていますので、それぞれを比較してから決めてみるのがいいでしょう。※上記情報は2017年11月15日時点のものになります。最新情報及び詳細は各サイトをご覧ください。  2017.11.21
  • 税理士がやってはいけない! 工夫のない値下げ

    長年、地元の中小企業経営者の相談にのってきた税理士のAさん。物腰の柔らかい人柄と、生まれついての人の良さが評判となり、順風満帆の税理士人生を送ってきました。ただ、Aさんの悩みの種は自身の年齢。70歳を過ぎた身体で、日々業務をこなしていくことに限界を感じていました。しかし、事務所をまかせられる人材にはめぐり合えず、迷ったもののAさんは廃業を決意します。この時点で14件の顧問契約があったため、Aさんは急いで予定していた引継ぎ先事務所に声をかけました。 人望が厚いAさん、引き継ぎ先も容易のハズ……でしたがAさんは知り合いの同業者も多く、引継ぎ先は容易に見つかるものだと思っていました。ところが、Aさんは多少理不尽だと思っても顧客から泣きつかれると断らなかったため、それが『顧問料』にもあらわれていたのです。 価格が上がる!? 納得できない顧客は炎上一般的な税理士事務所への依頼料は・個人の確定申告のみ   数万円~・仕訳もすべて任せる場合   10万円前後・顧問報酬   月額3万円前後それに対して、Aさんの場合は・個人の記帳   1万円・確定申告も含む   3万円市場相場との隔たりが大きく、予定していた引継ぎ先も「これはちょっと……」と首をかしげる状態に。Aさんは顧客に「今後は料金が高くなる」と懸命に説明しますが、納得してもらえたのは14件中7件。他の顧客たちは価格の値上げに納得がいかず、最終的に話し合いは決裂。独自で探すとの結論に至りました。しかし、Aさんの激安料金に慣れてしまった元・顧客たちはどこの税理士事務所でも容易には折り合わいがつかず、本業にも影響がでてしまいました。  市場価格を無視するのはNG?上記のケースを考えた場合、原因はAさんの料金設定にあることは明白です。ただ、経営者もコスト感覚にシビアですから、料金提示に対して即OK、ということは難しいでしょう。今回、Aさんはどうしたら良かったのか?この場合、お客さんの話をしっかりと聞いて事情を把握するのはもちろんですが、こちらからの提案が足りなかったことが考えられます。お客さん、つまり経営者は常に“不安”を抱えています。なので本心は「顧問として常に傍らにいてほしい」……のですがコスト面を考慮した結果、しかたなしに単発契約ということが多いのです。もちろん例外もありますが、顧問がいることが望ましいのは事実です。 確定申告の代行は受けるべきでないよくインターネットで検索すると『確定申告代行 激安!』といった単発依頼のキャッチコピーを見ることがあります。たしかに安いので、知識のない経営者は飛びつくかもしれませんが、今は会計ソフトの利用で申告書が自動作成されることを考えると、これはあまり意味がないと思われます。顧客に対して、安価な提案ばかりして仕事をとっても、今回のようにトラブルの原因になります。ここで妥当なのは、・会計ソフトをうまく使うことにより顧問先にも負担をお願いする・必要ならクラウド会計ソフトの導入を指南するといったような対応をすることです。現在、多くの経営者は経理の処理に会計ソフトを導入しています。その種類を大別すると昔からあるインストール型と近年、脚光を浴びているクラウド型に分かれます。クラウド型だと作業場所を固定されず、バージョンアップなどによる継続費を抑えるメリットがあり、預金取引やカード取引を自動取得できるなど、より便利になっていることが特徴です。今回のケース、人の良さが一番の“売り”だったAさんですが、長年の税理士人生の最後の幕引きに大きなトラブルが起きてしまいました。Aさんは純粋な善意に基づいての『激安価格』でしたが、それは決してよい顛末につながる訳ではありません。お金のプロである税理士だからこそ、適正な市場価格を常に心がけるべきでしょう。   2017.11.17
  • 【若手所長の開業日記】自分の気力が続く限りは世の中のために税理士として勤め続けたい

    独立前は、40人規模の会計事務所で、所長税理士の秘書をしていたこともある橋川誠司税理士。経営者としての考え方は、独立前の所長税理士から多くを学んだのだといいます。「お客様が欲しい情報を、お客様が欲しいときに渡すことを徹底的に叩き込まれました。もし10日間サハラ砂漠でさまよっていたら、10時間かけて出てくるフランス料理よりも、すぐに出てくる水が欲しいですよね。経営者も常に高いクオリティの情報を求めているわけではありません。タイミング良く、情報提供する必要があるのです」顧問先が欲しい情報をすぐに渡せるように、橋川氏は顧問先からの面談依頼があれば、時間の許す限りすべて応じています。面談時間を少しでも多く確保できるよう、クラウド会計ソフトやDropboxなどのクラウドツールを導入し、業務効率を上げています。 3者の成長を思い独立開業を決意橋川氏は独立した思いを次のように話します。「開業前の事務所では楽しく仕事をさせていただきました。ただ、新しいことをチャレンジする際、スピード感が自分とズレているのではないかと思い始めたのです。組織を離れた方が、お客様・事務所の仲間・私自身にとって、成長するのではないかという気持ちが強くなり、独立開業に至りました」今後の目標を聞かれた橋川氏は、「自分の体力・気力が続く限り、世の中の役に立ち存在価値を見出せる税理士になりたいです」と笑顔で語ってくれました。 プロフィール 橋川 誠司(はしかわ せいし)氏 1972年 広島県で生まれる1992年 龍谷大学経営学部に入学2006年 中国税理士会登録2015年 橋川誠司税理士事務所を開業橋川誠司税理士事務所 ブリーロパートナーズ「ペーパーレス化」「お客様への対応スピード」「クラウドを活用した情報の共有化」の3つを掲げ、お客様をサポートしている。 2017.10.20
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