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  • 危機管理のプロが教えるリスクマネジメント

     第1章 天災などの緊急事態下でも危機管理対策で事業継続経営活動には、コンプライアンス遵守といった法整備や、自然災害・感染症への対策と備えが不可欠。〝何か〟が起こってからでは、取り返しのつかない場合も。そこで危機管理対策のプロである田中直才氏が、事業を継続するための危機管理対策の重要性とポイントを解説します。 危機管理対策が今後ますます重要に新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが世界を席巻しています。2020年3月にWHOがパンデミックを宣言してから1年以上経過しましたが、これほど長期間、コロナ禍が続くとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。2009年に新型インフルエンザが一部で猛威を振るいました。このときが感染症蔓延という災害に対する危機管理を検討する絶好の機会でした。この世界的なパンデミックという災害に際し、万全とはいかないまでも、ある程度の備えをされていた事務所はどれだけあったでしょうか。新型コロナウイルス蔓延という大災害によって、感染症対策が焦眉の急となっています。対策には万全を期すべきですが、我々が警戒すべき災害は感染症だけではありません。日本で業務をする限り、地震や台風などの自然災害に遭遇するリスクも、避けることはできません。特に地震は、日本中どこにいても被災する可能性があります。とりわけ、発生確率が高いとされている東海地震や東南海地震、南海地震、首都直下地震などで甚大な被害が発生すると予測されている地域では、特に注意が必要です。いつ発生するかわからない地震は、施設などの物的被害だけでなく、従業員や顧客などに死傷者が発生することもありえます。従業員とその家族に対する安否確認手段の整備など、応急対応に関する体制の確立が求められます。また、火山学者の間では、富士山はいつ噴火してもおかしくないといわれています。噴火に伴う溶岩の流出や火砕流などによる被害は限定的ですが、火山灰によって、大きな被害が発生すると想定されています。噴火の規模、風向きによっては、関東地方でも10㎝の降灰があると想定されており、停電や交通機関の麻痺などの被害が長期間にわたるともいわれています。 不測の事態に備えた事業計画策定が肝感染症蔓延や地震などの災害により事務所の業務が中断することは、なんとしても避けたいところです。そのような事態に陥ることがないよう、BCP(BusinessContinuity Plan/事業継続計画)を策定することが求められます。BCPとは、会社・事業所が自然災害や大規模テロなどの緊急事態に直面しても、事業を絶えることなく継続させていくための手段や手法などを取り決めておく計画のことです。緊急事態は突然発生します。策定したBCPにもとづき、有効な手立てを講じないと、事務所機能が中断し、顧問先をはじめとする関係各所に迷惑をかけてしまうことになりかねません。BCPを策定していない事務所は、ぜひともこの機会にBCP策定を検討してみてください。2020年の帝国データバンクの調査によると、BCPを策定している会社は、現在策定中も含めると、調査対象約2万2000社中26・3%です。まだまだBCPを策定していない会社が多く存在します。先生方の顧問先においても、BCPを策定されていない会社が多いのではないでしょうか。いつ襲ってくるか分からない自然災害に備え、顧問先などに対してもBCPの策定を奨励することで、顧問先を守ることができます。災害に遭遇した際、何も備えをしていない会社では、事業の復旧が大きく遅れて事業の縮小を余儀なくされたり、廃業に追い込まれたりする恐れがあります。一方、BCPを導入している会社では、緊急時でも中核事業を維持・早期復旧することがきるうえ、その間の対応が取引先などから評価され、緊急事態前よりも業績が向上したとの例もあります。このように、BCPを導入しているかどうかで災害時の事業存続や業績に大きく影響します。自らの事務所はもちろん、顧問先を守るうえでも重要ですので、ご興味がある先生は、ぜひ当事務所までご連絡ください。今回は、災害などの外部要因に対する危機管理の必要性について、BCPの策定を中心に言及しましたが、備えるべきリスクは外部要因だけではありません。所内のハラスメント、不適切なSNSの発信による炎上、重大なコンプライアンス違反などの内部要因から発生するリスクについても、具体的な危機管理策を講じておく必要があります。第2章では、内部要因から発生するリスクについて取り上げ、そのリスクに対して講ずべき対策について言及します。 第2章 規程・罰則・教育の徹底でSNS炎上を回避TwitterやFacebook、YouTubeといったSNSは、認知拡大やブランディング、ファンづくりにおいて、士業事務所でも不可欠の時代に。その一方で、何気ない投稿が命とりになる恐れもあり、「炎上」してからでは、取り返しのつかない場合も。SNS上での炎上防止策を解説します。 便利なツールだからこそ利用ポリシーを明確に第1章では、事務所経営上の外部リスクとして、地震や台風、感染症などの自然災害を取り上げて、その対応策について言及しました。安定した事務所経営をしていくうえでは、このような外部リスクだけではなく、セクハラ・パワハラなどのハラスメントや、能力や素行に問題がある従業員に対する対応など、社内に潜むリスクへの備えが必須です。内部リスクは多岐にわたるため、各種リスクに応じた対策を講じる必要があります。今回は、昨今問題視されているSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の、「従業員による発信に関するリスク」について言及します。SNSの発展は目覚ましいものがあります。手元にスマートフォンさえあれば、誰でも気軽に自分の考えを世の中に発信することができるようになりました。プライベートで差し障りのない発信をしているうちは問題ありませんが、世間から反感を買うようなモラルを逸脱した発信をすると、いわゆる「炎上」という状態になり、世間からバッシングの集中砲火を浴びることになります。特に士業業界のビジネスでは、「信用・信頼」が大事な要素ですから、SNSでの炎上トラブルは死活問題です。万が一、事務所と関わりがないところで一個人が炎上してしまい、その個人の所属先が特定されてしまうと、世間からの非難の目が所属先にも向けられることになります。また、顧客の経営数字や給与情報など、重要な個人情報を多く扱う士業事務所においては、従業員によるSNSの発信によって個人情報が流失するといった事態は、絶対に避けなければいけません。軽い気持ちでSNSに投稿したことで、これまで事務所が築き上げてきたブランドイメージが一瞬にして崩れ去ってしまうリスクが、どの事務所にも内在しています。「SNSはプライベートなことだから」と、個人の自由に任せるのではなく、危機管理の観点から、事務所として何らかの対策を講じることが強く求められます。これらの対策として、大きく二つあげられます。対策①ソーシャルメディア利用ポリシーなど規程を整備する顧客情報や人事情報など、事務所内で保有している機密情報は、事務所の公式アカウントはもちろん、個人アカウントでも発信を全面禁止とする規程を策定し、抵触する行為をしたものは懲戒処分と明示しておきます。また、ソーシャルメディア利用ポリシーなどを定めて、SNS使用に関する事務所としての考え方を明確にしておきます。対策②従業員に向けた研修の実施一昔前に話題になりましたが、某外食店のアルバイト社員が、客に提供する料理をゴミ箱に入れる動画をSNSで公開し、炎上しました。これをきっかけに、ほかの外食店でも同じような動画が次々と発掘され、投稿される度に炎上し、報道されたりと、社会的に物議を醸しました。誰が見てもおかしいと感じることであっても、人はSNSに投稿してしまいます。それは、理性より承認欲求が勝ってしまうことが大きな要因の一つと考えられます。従業員に対してリスク研修をする際には、この点も念頭におき、一時の承認欲求を満たすために行った行為が、自分や事務所にどう跳ね返ってくるか想像できるように説明することが重要です。また、研修の際には事務所が策定したSNS使用に関する規程内容について、十分な時間をとって説明します。違反した際の懲戒処分の内容についても説明し、事務所として違反者に対して厳しい姿勢で臨むことを明確にしておきます。以上、従業員の不適正SNSの発信に絞り、必要なリスク管理について言及しましたが、先述のとおり、内部要因に関するリスクは、不適切SNSだけではありません。事務所に内在するリスクをすべて洗い出し、それらに適切に対応していくことが求められます。―――――――――――――田中直才氏の著書『中小企業の危機管理がわかる本』を抽選で5名様にプレゼント!下記アンケートに回答いただいた方のなかから抽選で5名様に、リスクマネジメントのプロフェッショナル・田中直才氏の著書『中小企業の危機管理がわかる本』をプレゼント!アンケート回答はこちら↓↓https://forms.gle/rAsFxZZ8JTEa2tB59『中小企業の危機管理がわかる本』単行本:176ページ出版社:セルバ出版発行日:2021年6月9日自然災害への対応、社員の不適切SNS対策、トラブルメーカー社員に対する対応など中小会社に影響のあるリスクとその対応策を実務的に解説。机上の空論ではなく、理論と経験をミックスすることで得られた独自の見解を踏まえ、具体策を提示しています。 
  • 【広瀬元義の勝手に士業業界トレンド】新時代に最適な評価方法のカギは職責・職務を明確にすること

    リモートワークの導入や働き方の変容によって、最適な評価方法が問われています。経験をベースにした職能給を採用するべきか?それとも、業務の専門性を重視した職務給か?そのヒントについて、人事制度と生産管理のスペシャリスト・株式会社メディンの西村聡氏に、本誌編集長・広瀬元義が迫ります! 士業事務所こそ職務ベースの評価を!広瀬 昨今、職務内容を明確にしたジョブ型の働き方を導入する企業が増えています。ジョブ型は職務給が基本ですが、実際には多くの企業が年功序列による職能給に近い形の給与体系になっていると思います。西村さんは職能給と職務給についてどうお考えですか?西村 職能給とは、企業が個人の能力や経験に対して評価し、支払われる賃金です。しかし、能力の価値は目に見えません。ですから、職能給だと年功序列にならざるを得ないのが、日本企業の現状です。しかし、仕事に対する責任や実行力を理解・向上させるには、職務給がいいと私は考えています。職務給を簡単に説明すると、リンゴの値段と同じ原理です。市場における、その個体(=人材)の価値=値段、つまり給料になります。その考え方でいけば、リンゴそのものの価値(=仕事ができること)があることが前提になるため、個々の能力は関係ありません。広瀬 なるほど。では、職能給から職務給へ移行するには、何に注意して行うべきでしょうか?西村 基本的に、職務給は〝企業内における仕事の価値〞によって決まりますから、自社内における価値序列が明確であれば、合理的な職務給を導入できるはずです。しかし、多くの日本企業には明確な職務のくくりがないのが実態です。たとえば、経営陣が「誰が何をするべきか」ということを明文化していない企業では、従業員の連携不足が生じて、無駄な業務が発生したり、ミスも起きやすくなります。職務とは、あくまで「目標や目的を前提にして、そこから展開される機能が〝仕事〞として発生して、はじめて個人に与えられる」という考え方に基づいたものです。日本の製造業の生産現場では、個人に対して無駄を省いた最適な職務を割り当てている場合も少なくありません。それにもかかわらず、職能給という日本独特の文化に固執してしまっているのが実情です。広瀬 〝ねじれ〞現象が生じているのですね。しかし、業務経験のない新卒を採用する場合、3年くらいは職能給にして、仕事を覚えてきたら職務給へ切り替えるというようなハイブリッドが良いのではないでしょうか?西村 日本の社会構造からすると、ハイブリッドにならざるを得ないのかもしれませんが、私は、新卒社員などの若手であるほど、職務給のほうが適していると思います。職務給は仕事の基本構造を理解させるために有効ですから。職務給の本質は、職責の理解にあります。職責には、どれだけの量か(量的基準)、どれだけの正確さ・出来栄えか(質的基準)、いつまでにまたはどれだけの時間の範囲で仕上げるのか(時相基準)、どのような方法でなされるのか(方法基準)、という4つの基準があります。これらを職位ごとに明確にして、仕事やビジネスの基本構造・本質を理解させることで、「自分が何をするべきか」を明確にします。すると、理想と現実を埋める目標設定がしやすくなるので、プロフェッショナルが育ち、生産性も上がります。それが職務給の大きなメリットなのです。広瀬 つまり、一人ひとりの業務の可視化が重要となるという訳ですね。では、職務給を導入するために必要なことを教えてください。西村 現場の状況を見て、まずは職務分析をすることが大切だと思います。その理由は、実際の現場での標準作業や標準時間の設定ができて、はじめて改善可能な状態にできるからです。海外では、標準作業や標準時間をそのまま人事制度にあてはめるというシンプルな構造の企業が多いですね。日本でも、特に大手企業では、現場で標準作業書や標準時間を設定している企業も多いと思います。しかし、人事が現場を理解していないために、〝ねじれ〞が起きているケースも少なくありません。一方、中小企業は現場と人事が乖離しにくい環境なので、そのような規模間の企業こそ、職務分析をして業務内容やレベルを可視化することをおすすめしています。そうすれば、人員の割り振りも容易になります。広瀬 職務分析を行うにあたって、「職務記述書(ジョブディスクリプション)」の作成が役に立つと思いますが、いかがでしょう?西村 そうですね、特に給与設定や評価、教育に効果的です。もし、従業員が職責を理解していない状態で就業させているようなら、生産性の向上や企業の成長は実現できません。ですから、職務記述書作成を通して「仕事が変れば賃金が変わる」「結果を出さないと昇給や賞与がない」など、職責について従業員に教えることは重要です。広瀬 職務記述書を作成する際の注意点はありますか?西村 課業と作業、動作の3点を明確にすることが重要です。「キャベツを切る」という仕事を例に挙げると、動作とは「包丁を探す」「握る」「切る」などに当たります。そして、作業とは個々の動作の積み重ねです。さらに、課業とはタスクのことで、個人がなすべきこととして割り当てられた〝作業〞をすべてまとめた業務を指します。これらのちがいを明確にして、動作ではなく作業を書き出して、それらを課業としてくくることがポイントです。適切な職務分析による職務記述書は、目標設定やプロフェッショナルの育成、そして生産性向上のカギになります。近年、このような職務給に関する取り組みを実践する中小企業も増えたと感じています。広瀬 最近は、士業業界でも定型業務よりも付加価値業務が求められてきています。個々の仕事の幅が広がるなかでも、職務での評価は可能でしょうか?西村 職務評価を実現するためには、企業がクリアすべき二つの課題があります。一つは、従業員に対して職務や職責に関する教育を行うことです。もう一つは、職務を考えるうえで「1日8時間の仕事しか与えてはいけない」という原則を守ることです。8時間以上必要な場合は、「職務を行う人材がもう一人必要」と考えなければいけません。これらはすべて経営サイドの問題ですから、職務分析を通じて、まずは自社の職務構造やビジネスモデルなどを見直し、適切に対応することが不可欠です。職務給に関する取り組みは、小企業や、事務作業が多くて職務評価・職務分析がしやすい税理士や社労士などの士業業界で行いやすい取り組みといえます。ですから、まずは事務所で取り入れてみて、そして、顧問先にもサポートとして提案していただきたいと思っています。広瀬 働き方の多様性によって、ますます年功的な評価よりも職務をベースとした評価が主流になってくると確信しています。まずは、士業業界から中小企業へ、時代にマッチした評価制度を取り入れて生産性向上を促進させたいですね。 ―――――――――――――【2021年版「士業事務所の給与評価」好評発売中!】月刊プロパートナー2021年11月号(10月20日発売)では、毎年恒例となった「士業事務所の給与・評価」にまつわる全国アンケート調査を実施!3回目となる今回は、人材の定着と最適化にフォーカスし、盤石な組織をつくるための取り組みも大調査します。さらに、従業員の成長を支援する士業事務所の人事制度の運用事例も大公開!士業業界の「給与・評価」事情から人事制度設計の仕組み、最新トレンドまですべてがわかる1冊です。月刊プロパートナー2021年11月号の詳細・お申込みはこちら 
  • 【税理士替えたい110番】開業後に思い描いているビジョンをハッキリと否定されてしまった

    顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。今回は、開業後のビジョンを完全否定されてしまったために起きたトラブルです。 顧客の気持ちを無視したアドバイスに意味はある?現在勤めている会社からの独立を予定しており、開業にあたって経営相談に乗ってくれる税理士を探しています。職種はWebをメインとした広告サービス業で、今年度中に開業予定。今から仲間に声をかけるなどして、開業から1年以内にメンバー7〜8名の体制にしようと頑張っています。しかし、知人から紹介を受けた税理士に相談したところ、資本金を含めた開業後のキャッシュ状況の試算を提示され、「開業からしばらくは1人の体制のままで、従業員なんて雇用せずに外注するべきだ」とハッキリ言われてしまいました。そのほかの事業の展望を話しても、どこか批判的な返答ばかり。会社側とも話し合って、現在担当している案件や顧客の一部を開業後も引き継ぐことになっていますし、資金面に関しても親の援助を受けられる可能性があるので、こちらとしては十分な見通しを立てていたつもりです。確かに安全策を取るのであれば、その税理士の言うことも正しいのかもしれませんが、起業はスタートダッシュが何よりも大切ですし、こちらとしてはいち早くメンバーを揃えることが会社の成長につながると考えています。その税理士は経営に関するアドバイザリー業務なども行っているようですが、どこまで私の仕事内容を理解しているのかわかりませんし、共感性の低い方と付き合っていけるかわかりません。とはいえ、お世話になった知人からの紹介なので無下にはできず、少し困っています。もっと親身になって資金調達や会社の成長について相談に乗ってくれる税理士が見つかればいいのですが……。 相手の意向を尊重しながら、ホスピタリティのある対応を経営に関するアドバイザリー業務も行っているということなので、実は先生のアドバイスが正しいのかもしれません。しかし、士業は接客業でもあるので、相手の意向を尊重することも大切です。すべての意向に沿う必要はありませんが、「なぜ、そう考えたのか?」と、理由を聞きながら同意・共感をするなかで「でも、こういう方法もありますよ」と伝えると理解を得やすいのではないでしょうか。知り合って日が浅いため、信頼関係が築けていないのも要因の一つです。相手が求めていることをよく考え、ホスピタリティのある対応を心がけましょう。 ※月刊プロパートナー2021年6月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼
  • 顧客と職員に選ばれる成長事務所の人事制度とは?士業事務所の 給与・評価を徹底解説!

    今回のテーマは『士業事務所の人事評価制度設計の基本』。人事領域のコンサルティングを数多く手がける社会保険労務士法人ビルドゥミー・コンサルティング代表の望月建吾先生が解説します。 「他社水準」ではなく 自社の適正報酬単価を士業事務所の人事制度・賃金制度設計で重要なポイントは3つ。従業員に支払いたい年収額に応じた報酬単価、賃金バンドに込めたメッセー ジ、何を可視化するのかの決定です。一つ目の単価設定は非常に重要です。まず、みなさんは顧客に提供しているサービスの価格をどのように設定していますか?同業他社の価格をリサーチして、同等・もしくは単価を落とした設定にしているケースがあるかもしれません。しかし、他社水準に引っ張られすぎると、必要工数に対する単価の考え方が破綻し、従業員に支払いたい年収額を捻出できなくなるほか、十分な役員報酬を確保できない、やってもやっても法人利益が残らないなどの悪循環なリスクを孕んでしまいます。なぜなら、他社の水準が適正報酬額であると言い切れないためです。解決のポイントとしては、法人利益として確保しておきたい適正な利益率を決めて、予めその額を捻出する想定で人件費率の適正割合を設定すること。他社のサービス価格を水準にするのではなく、従業員に支払いたい年収額から逆算して、担当者のレベルに応じた単価を決めることです。例えば、売上に対する理想の割合は、営業利益10%以上、実務担当者人件費率が34%、営業マン、間接営業部門の人件費が各8%、事務所の賃料、そのほか諸経費で20%ほどという具合に、です。また、実務担当者の時間当たりの業務単価を正確に算出しておくことも重要です。これをしない限り、業務改善の成果が曖昧になるので必ず算出しておくようにしましょう。次に、賃金バンドの長さです。これは、〝どのグレードに長く滞留してほしいか〞という事務所代表のメッセージでもあります。つまり、各等級の賃金バンドの長さやほかの等級と重なる部分が、従業員に支払いたい年収額や従業員の昇格イメージと合致しているかということです。例えば、新卒からの3年間は一人前に育つ修行期間だから、その等級には3年であるとか、次の等級はより上位の等級のため4年程度で昇格してもらいたいといったメッセージを込めたバンドにするのです。また、人事制度・賃金制度の「何を」可視化するのかをよく考えて決めてください。評価の基準なのか、処遇のしくみなのか、評価のルールなのか。もしかしたら、従業員の望む可視化とは違ったものになるかもしれません。これは他社を真似てもいいとは限りません。代表の先生がよく考えて決めてください。制度設計の前にまずは、提供するサービス報酬額の利益割合を決めることが重要です。・提供しているサービス価格の設定を今一度見直してみる・他社水準に引っ張られすぎると従業員に支払いたい年収を捻出できなくなる恐れも...・入社した従業員をどのくらいの期間でプロモーションしていくか設定しておくこと・給与と評価は腹落ちすることが大切!各等級の役割責任の基準など可視化させておこう   ※月刊プロパートナー2020年12月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼
  • 数字は語る! 従業員を定着させる良策は 賃金アップと評価制度の整備

    収入増加と働きがい両立できる離職対策を従業員を定着させるために、企業は何をすれば良いのか。まず知っておくべきは、従業員の考え方。現在、勤務している企業で働き続けたくない理由として「収入・昇給に対する不満」を挙げる従業員が多くいるのが現状です(図1)。(注)複数回答、上位10位まで一方、実際に企業が取り組んでいる離職対策で、一番多く行われているのが「労働時間短縮・残業削減」です(図2)。これに対し、最も多くの従業員が効果的だと思う取り組みは、結局のところ「賃金水準の引き上げ」。
  • 助成金件数累計300件以上、受給率100%を実現している特定社会保険労務士 杉山晃浩事務所の高付加価値顧問契約サービスとは!?

    助成金件数累計300件以上、受給率100%(開業~2017年3月21日までの実績)を実現している特定社会保険労務士杉山晃浩事務所。地元・宮崎県で「助成金といえば杉山社会保険労務士」と、名を馳せています。どのような施策でご自身と事務所のブランディングに成功し、「助成金」分野において他事務所との差別化を実現されたのでしょうか。今回は、顧問契約獲得へと導く、高付加価値顧問契約サービスについて杉山氏にお話を伺いました。 助成金案件の受注は顧問契約とのセットが必須杉山氏が新規顧客獲得のフックとしているのは助成金。開業以来強みに掲げ、助成金件数累計300件以上、受給率100%(開業~2017年3月21日までの実績)の実績を誇っています。「地元宮崎県で助成金に強い社会保険労務士が少ないことから、社長さんの反応は良好です。要件を満たしていなかったり、受給スタンスが異なる会社を事前にシャットアウトするので、必ず受給できるよう申請に努めています」助成金案件を獲得するために、セミナーを随時開催したり、チラシを地元金融機関に配布してもらったり、専用Webサイト「宮崎助成金サポートセンター」を運営するなど、間口を広げています。中には「顧問社労士がいるので、助成金申請だけお願いします」というスポット依頼がありますが、基本的には顧問契約とのセットを必須としています。その理由は、スポットでは会社全体の状況を把握できず、助成金詐欺や不正受給に巻き込まれるリスクがあるため。顧問契約を結ぶと、会社の状況を常に把握し、助成金を受ける際もタイミングよく申請できます。顧問契約の主なサービス内容は以下の通り。労働保険・社会保険の得喪手続き情報提供セミナー受講料一部無料各種法的整備36協定届け出雇入通知書ひな型提供マイナンバー管理それ以外の助成金申請、就業規則作成、労使紛争、労働保険年度更新、社会保険算定基礎届、給与計算などのサービスはオプションとなります。 問料は従業員規模で異なるが、平均して月額約2万~3万円前後。地元では低価格な社会保険労務士事務所が多く、高額に感じられるケースが大半とのこと。「地元では社会保険労務士というサービスの適正価格を理解していない方が多いと思います。そんな中、他の事務所がダンピング営業ばかり行うと、社会保険労務士の価値が下がってしまうのです。こうした悪循環を断ち切るため、当事務所では顧問料に見合った高付加価値サービスを実践しています」杉山氏は顧問先に対して、次の3つのタイミングで、必ず事務所に連絡するよう徹底しています。