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  • 【士業事務所のエンゲージメント革命】権限移譲とマトリクス組織で“所長のいらない事務所”に変革

    これからの士業事務所経営には、職員と事務所が相互に成長をサポートする関係「エンゲージメント」が重要となります。今回は、権限委譲によって職員が自発的に動く組織へと変革中の社会保険労務士法人イデアの取り組みに迫ります。 組織変革のきっかけは「諦め」と「感謝」当社は創業して25年になりますが、4〜5年前から組織改革に取り組み始めました。目指したのは〝所長がいるのかいないのかわからない組織〞。職員が自分のやるべきことを自分で考えて、所長がいないときでも自ら判断して業務を進めることができる組織です。私は今年で59歳。体力的にも最前線で働き続けるのは限界があると考えていました。また、業務を職員に任せたほうが事務所の将来のためにもなります。といっても、以前の組織は「所長とその他大勢」という構造でした。私には「お客様に対して完璧でありたい」という理想があり、創業当時から熱意を持って仕事をしてきました。それこそ、朝は一番早く事務所に来て、最後に帰る日々です。ただ、この熱意が職員にはなかなか伝わらなかった。私が口うるさく言っても、当然ながら職員との温度差はあり、業務を任せても「忙しいから」となかなか進まない……。現在、当社には職員が27名ほどいるのですが、実は3年前まではパートスタッフを含めて8名ほどの規模でした。採用に力を入れて拡大していこうと考えても、そんな状態ですから、育てられる環境もない。大きなトラブルや絶体絶命のピンチはないけれど、職員との距離に一人で悩む日々でした。組織改革が進み始めたきっかけは、「諦め」です。「20年以上経営してこの状態なら、自分も大したことはない」「もう、自分で走り回るのはやめよう」「私が職員に対して注いだ愛情の、1割でも2割でもお客様に向けてくれたら」と、皆を後ろから応援することにして、「頑張ってね」「ありがとう」と伝え始めました。すると皮肉なことに、職員が頑張り始めたのです。私が無理やり引っ張っていたことが、職員の自主性を奪っていたのですね。「なんで気づかなかったのだろう」と愕然としたのを覚えています。 売上予算を持たないマトリクス組織へ移行職員に権限委譲することで、責任感が生まれ、進んで仕事をするようになりました。例えば、それまで新規のお客様との面談は私が行っていたのですが、職員に任せました。私が同行しないので、どうやってお客様に提案すればいいか、必死に考えるようになったのです。当社はユニット制なのですが、ユニット長には新規顧客開拓のほか、メンバーの労務管理や教育、セキュリティ対策などに関する権限も与えています。一方で、ユニットを横断する形でミッションチームを設け、マトリクス組織をつくりました。ミッションチームは、RPA、CS向上、給与計算、業務改善の4つがあり、事務所全体の改革を担います。各チームにリーダーを置き、予算も渡し、好きなように取り組んでもらう。自分たちの権限で会議を開いていいし、必要な情報を得るためにセミナーやイベントに参加したり、新しいソフトを購入したりしてもいい。ミッションチームのリーダーはユニット長とは別の職員なので、業務を進めるためのリーダーと、事務所全体の改革を行うためのリーダーがいるイメージです。こうして権限を委譲したことで、各チームから自発的にさまざまな提案やアイデアが出てくるようになり、事務所が活性化しました。権限を委ねると同時に、「年間の売上予算を持たない経営」に移行しました。これは株式会社セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文名誉顧問がおっしゃっていたのですが、「売上予算の達成ではなく、お客様に良い商品を適正な価格で届けることが目標だ」と。売上はあくまで結果であって、そこを目標にはしないという意見にとても共感しました。私も、事務所を経営していくうえで、目の前のお客様に対して最善を尽くし、顧客満足度を100%にすることが目標であるべきだと考えたのです。一生懸命仕事をしてお客様の琴線に触れることができれば、自然と紹介は増えますし、仕事が増えたら人を入れればいいだけの話ですから。 研修や未来会議でエンゲージメントを向上組織を変えていくにあたって、メンバー一人ひとりがルールを理解して意思決定するティール組織、そしてエンゲージメントについて勉強しました。ただ、何冊か本を読んでみたのですが、私自身、具体的に何をしたらいいのかわからなかったのです。また、職員にもエンゲージメントを理解してもらうことが必要ですから、アックスコンサルティングのエンゲージメント研修を受講しました。研修を受けたことで、ユニット長たちが自分のユニットはもちろん、事務所をどういう形にしていくか、誰にどんな声をかけるべきかなどを考え始めたのは、とても大きな収穫だったと思います。ほかにも、エンゲージメントを高めるために、今期から未来会議というものを始めました。未来会議は、事務所の方針や理念に関わる話し合い、SDGsの取り組みなどについてアイデアを出し合う場です。2020年の秋に第二新卒で入った職員と、新卒3年目の職員という、事務所で一番若い2名に運営を任せています。彼女らが毎月テーマを決め、全職員からアイデアを募るのです。職員が持っている情報を交換する場やコミュニケーションの場としても機能しています。さらに、福利厚生を充実させるためのTAF(タフ)チームも設置。例えば職員の子どもを連れてきて、お父さん、お母さんの仕事を見てもらう親子参観日や、阪急電車のクイズラリーをチームで解いて回るゲーム大会などを企画しています。TAFチームの発案で、さまざまな福利厚生を2万円の範囲で補助するカフェテリアプランもつくりました。2万円の範囲であれば、旅行に行く際の足しにしたり、人間ドッグや歯科検診の受診、社労士試験の受験料など、好きに使えます。また、福利厚生の一貫として、職員の配偶者の健康診断の費用も一部負担しています。 一番であることを捨て、否定せずに任せる私は、「日本で一番面白い、日本で一番自由度の高い社労士事務所」をつくりたいと思っています。そのためには、所長の権限を大幅に委譲していくことが必要です。その際、大切なことは、「トップが口を出さないこと」。もし職員のアイデアがイマイチだと思っても、否定せず、一緒に考えることが重要です。そして、「所長が一番でなければいけない」という考えを捨てること。所長は職員よりも法改正に詳しくないといけない、お客様への対応もしないといけないというプレッシャーやプライドもあります。しかし、そういったことに追われると、事務所のなかを見る時間が後回しになってしまう。私は、法改正の本を読んだり、勉強のためにセミナーに行くことを思い切ってやめました。営業もしませんから、今では私のスケジュール帳は空欄ばかりです(笑)。もちろん、すぐに切り替えられたわけではありません。組織改革を始めて2年くらいは我慢の日々でした。でも、個々の職員が自立し、所長よりも目立つ存在になるくらいでなければ、事務所はもちろん、士業業界全体も成長しないと思っています。 
  • 【所長たちのホンネ座談会 Part2】経営者がやるべきことは仕組みづくりと人材創出

    職員の先頭を走り、自ら道を切り拓いていく所長たち。「経営者としてのモチベーションは何か?」「モチベーションが下がったらどうする?」「所長の仕事とは?」など、普段は聞けないホンネに迫る座談会を開催。税理士法人SS総合会計の鈴木宏典氏、社会保険労務士法人リライエの石田隆利氏、税理士法人阿比留会計事務所の阿比留一裕氏、スクエアワン株式会社の石川和司氏の4名が語り合います。〔司会〕株式会社アックスコンサルティング コンサルタントPart1はこちら 所長のモチベーション自分の運命に責任を持つ独立した存在が楽しい司会 時には、「今日は仕事をしたくないなぁ」と感じたり、気持ちの浮き沈みもあると思います。 どのようにケアしていますか?石川 〝自分の運命をコントロールできる状態〞にあることが、すごく重要だと思っています。経営者は、「嫌なら断ればいい」「信条に合わないから断る」というのが、自分の責任でできる。私の場合、そういった独立した存在であることが、自分を解放してくれて、楽にいられるので、仕事へのモチベーションが上がる要素になっている気がします。鈴木 多くの人は、自分に降りかかった困難を外部のせいにしてしまうと思うんです。石川先生はすごくハードルの高いことを実践されていて、素晴らしいですね。石田 私自身は、モチベーションが下がろうが、「仕事だからやる」 という感じですが、職員が成長したり、変わった瞬間を見ると、やる気は出ます。阿比留先生のモチベーションも聞いてみたいです。阿比留 私は子どもの頃から、やる気のなさに定評がある人間でして......。〝モチベーションややる気に依存しない仕組みをつくる〞 という路線で生きています。例えば集客も、自分が頑張らなくても提携先から自動的に紹介がくる仕組みになっています。スタッフの仕事も仕組み化しているので、こと細かに指示は出しません。むしろ、「所長の工程、早く終わらせてください」と職員から圧がかかるくらいです。案件も業務も、来てしまったらやるしかないので、 やります(笑)。モチベーションによって成果がぶれるという状態が嫌なので、機能的な仕組みを構築するプロセスが好きなんです。なので、モチベーションを上げるとか維持するという発想がそもそもないですね。司会 モチベートが必要な人、仕組みがあれば自然にできる人、両方のタイプがいますよね。鈴木先生は、どのように情熱を持ち続けているのですか?鈴木 私は、仕事そのものが好きなんです。お客様と話したり、経営塾の塾生に響いている感じだったり、自分が役に立って、みんなの関係性が変わる仕事そのものがモチベーションになっています。もちろん眠い朝もありますが、 やっているうちに楽しくなっちゃうんですよね。お客様への価値提供そのものを、魅力に感じているのだと思います。石川 経営者は、仕事とプライベートの境目があまりない人が多いように思います。仕事のことを考えないようにする方が、かえってストレスなのかもしれません。 組織と人材の育て方顧客満足を軸に従業員満足を考える司会 経営者として、職員さんの成長や動機づけについてはどのように考えていますか?石田 以前、お客様から「あなたはもう来なくていい。スタッフさんが来てくれたら十分だから」と評価されたときには、これを繰り返せたら業界も地域も良くなっていくだろうという希望につながりました。司会 一方、阿比留先生は......阿比留 育てる気がないですから(笑)。それぞれの調子や個性による振れ幅をなくして、常に一定のクオリティを提供し続けられる仕組みにしています。なので、採用のときは、「何も教えないし、成長させる気もない」ということを伝えます。妙にやる気のある人ではなく、毎日決まった仕事をこなすことにモチベーションを感じられる人を採用したいので。石川 一貫した姿勢がすごいですね。私自身は「飲みながら話そうか」など、ある意味昭和的な感情マネジメントをしている傾向があるのですが、「果たしてそれが本当にお互いのためになっているのか」と、いま思いました。リー ダーって孤独な面があって、それを会社や事務所で埋め合わせしているような気がします。こちらがよかれと思ってやっていることが、実は自分の満足にしかなっていないこともありそうです。司会 鈴木先生は、パートさんを担当者レベルに成長させていく、ということをされていますね。鈴木 私は阿比留先生と逆ですよ。成長やお客様への価値提供こそが、エンゲージメントを高める要素だと思っています。CS(顧客満足) を軸にしたES(従業員満足)じゃないと意味がない。お客様に価値提供するための型があって、それを乗り越えて成長することが一番のモチベーションになるんです。自立型人材の育成には3つの要件があって、まずはしっかりした型をつくること。次に、目的・理念をはっきりさせること。最後に、できたら承認、できなかったらダメだったことをきちんとフィードバックする。お客様への価値提供が一番崇高で、それを実現する仕組みを会社としてつくる、モチベーションとシステムを両立することが重要です。司会 人としての関わりだけでは依存関係になってしまうので、仕組みやレベルアップの目安をつくるということですね。鈴木 人は結局、仕事ができるようになればモチベーションも上がるのだと思います。単に昇給や福利厚生を充実すればいいのではなく、自分の業務と組織の理念が結びついていることが大切だと考えています。 所長の役割ビジネスモデルの構築と最後の砦としての安心感司会 経営者は、プレーヤーとして困難な局面を乗り越えたり、ビジネスの仕組みをつくったり、仕事の幅が本当に広いですね。そのなかでも、所長として絶対に外せない仕事とは何でしょうか?阿比留 ビジネスモデルをつくることです。誰をターゲットに、どんな付加価値を提供し、どういう仕組みで実行するか。そして、お客様やスタッフとして、どんな人を受け入れて、排除するか。その部分は経営者にしかできません。所長が頑張って申告書を書くより、事務所に合わないお客様を1件解約してくれた方が、スタッフは喜ぶ気がします。石川 志を同じくする、優秀な人財を集めることでしょうか。高収益な体質をつくるためにも、人財は重要です。石田 私が従業員だったら、経営者には最後の砦であってほしい。心が折れそうなとき、「あの人がいれば大丈夫」という存在。そういう意味で、私も早く本当の経営者になりたいです。鈴木 やはりビジネスモデルの策定でしょう。そして、理念策定と浸透。私の場合はプレーヤーも兼務しているので、一つくらいは誰にも負けないものがあってもいいと思っています。石田先生がおっしゃっていたように、「さすが所長」と頼られる存在になりたいです。司会 最後に、ほかの先生に聞いておきたいことはありますか?鈴木 石田先生に、社労士としてのビジョンを聞いてみたいです。石田 地方は若者の減少が顕著です。コロナ禍で、さまざまな変化もありました。「全国の田舎の労働環境を変える先導者になる」というのが、最近の経営理念です。いまは、学びの場を提供する学校も開催しています。鈴木 うちも社労士をかかえていますが、それぞれ特徴が出るものですね。阿比留先生は、次の計画は何かありますか?阿比留 税理士を雇おうかな、と思っています。私の実務を引き継ぎたいのと、将来父が引退して税理士が減ると、法人でなくなりますから。あまり心踊る計画ではありませんが(笑)。司会 これからも定期的に、皆さんの動向を知りたいですね。今日は起業家としての力強い原動力を垣間見ることができました。ありがとうございました。※月刊プロパートナー2021年5月号より抜粋 
  • 【所長たちのホンネ座談会 Part1】独立、承継、職員の一斉退職…所長の苦労を語る

    職員の先頭を走り、自ら道を切り拓いていく所長たち。「経営者としてのモチベーションは何か?」「モチベーションが下がったらどうする?」「所長の仕事とは?」など、普段は聞けないホンネに迫る座談会を開催。税理士法人SS総合会計の鈴木宏典氏、社会保険労務士法人リライエの石田隆利氏、税理士法人阿比留会計事務所の阿比留一裕氏、スクエアワン株式会社の石川和司氏の4名が語り合います。〔司会〕株式会社アックスコンサルティング コンサルタント 独立・事業承継の思い継ぐか? 独立か?最初の決断のきっかけ司会 まず、いつ頃から独立しよう、所長になろうと考えていたかを聞かせてください。阿比留 私は、小学6年生のときに父が税理士事務所を開業したので、「継いだらラクができる」と思ったのがきっかけです。親の助言もあり、「大学4年で公認会計士試験に合格して、修行を5年してから帰ろう」と、その当時に決めました。と言っても結局、法人として申告は一緒にしていますが、実質的には別事務所です。石川 私の場合、学生時代から資格を取って事務所を開こうと考えていたので、就職活動もしていません。結果、試験に合格するのに6年かかってしまいましたが。石田 私は20歳のときに悪徳不動産会社から痛い目に遭い、法律に興味を持ったのがきっかけです。それで、この先10年で10個の国家資格を取って独立しようと決めて、一番独立しやすそうだった社会保険労務士として開業しました。顧問契約書のつくり方も知らない状態からのスタートだったのですが、当時は頼れる人がいなくて、二代目の経営者をうらやましいと思ったこともあります。司会 鈴木先生は二代目ですよね。鈴木 はい。親からは「自分の好きなことをしてほしい」と言われていましたが、大学が法学部で、大学院にも行き、やっぱり税理士になろうかな、と。あと、父の影響はあります。仕事熱心で、「あれだけ情熱をかけられる仕事ならいいな」と思いました。また、もともと講師業や教師に憧れていたので「税理士は経営の先生だよ」という母の言葉も大きかったですね。実際には領収書ばかりの世界でびっくりしましたけど(笑)。石川 なかには継ぐのが嫌な方もいらっしゃるのでしょうか?阿比留 継ぐのは難しいですよね。私の場合、父の事務所の職員は私が生まれたときから知っている方ばかりで、一緒に働くのはなかなか難しいなと思って。それもあり、物理的には分けています。鈴木 うちは親子でぶつかった経験があるので、継いだ人の気持ちはよくわかります。小さなことにこだわりすぎず、潔癖になりすぎないことが大事ですよね。 開業後の苦労まさかの全員退職…二代目ならではの悩みも司会 独立後は、大変な苦労もあったのではないでしょうか?石川 縁もゆかりもない所で開業したので、「大変だったね」とよく言われますが、自分とお客様のために100%の力を出せることがすごく楽しくて。日々良くなっていくだけなので、簡易書留を出す作業も楽しかったですね。守るべきものが増えた今のほうが、何かと恐怖があるかもしれません。例えば、開業して5年目の頃、ある不動産会社による売上げが全体の7割を占めるようになったんです。1社に依存しているのが怖くて、別の不動産会社や銀行と取引しようと動いたのですが、すでに先輩の先生方が固めていて。そこで、お付き合いの多かった税理士の先生とタイアップする『会計事務所サポートサービス』を始めました。私はすぐに調子に乗ってしまうタイプなのですが、不安や恐怖に直面することで、成長へとつながっているように思います。司会 石田先生も、ベースがないなかでの独立だと思いますが、特に苦労した時期はありますか?石田 仕事は順調に増えていたのですが、開業3年目のある日、4名いた職員全員が一斉に退職してしまったんです。退職届を突きつけられて、引き継ぎもなく、パソコンのデータも……。鈴木 すごいですね……。どうやって乗り切ったんですか?石田 すぐにハローワークからパートさんを紹介してもらい、今では記憶がないくらいに働きました。あまり社労士のいない地域で、私が辞めたらお客様が困ると考え、「やるしかない」という気持ちです。事業拡大のために広い事務所に移転を決めた矢先の出来事で、さみしい日々を過ごしました。司会 ほかの先生方は、つらいときにどのように思考を切り替えてこられたのでしょうか?阿比留 私は開業当初、事業再生やM&A業務だけをするつもりでした。でも、一人目のスタッフを雇った直後に民主党政権になり、金融円滑化法が出て事業再生の仕事がゼロになったんです。このときはきつかったですね。それで、「まじめにやらなきゃ」と税理士業務へ方針転換して、美容院と飲食店に特化しました。もともと、自分じゃなくても良い「その他大勢」になるのが嫌で、特徴のある存在でいたいという気持ちが強いため、思い切った方針転換ができたのかもしれません。鈴木 皆さんは開業という不退転の決意があったと思いますが、私は決意しきれない、自立しきれない二代目特有の悩みがありました。「まったく性格の違う父と一緒にやっていけるのか」「税理士として自分のスタイルをつくりたい」と悩み、父に反発していた頃が一番つらかったですね。恵まれているのに感謝できなくて、職員を不安にさせていました。司会 どのように気持ちを切り替えたんですか?鈴木 一般社団法人才能心理学協会の北端康良先生にプロファイリングをしてもらったことで変われました。自分の思いを理解して、父にきちんと話せるようになったことで、引き継ぎもしてもらえるようになりました。結局のところ、二代目で一番重要なのは〝二代目であることを受け入れて、親の土俵で踊れるか〞だと思います。某家具会社のように親を公の場で公開処刑するなんてもってのほか。やっぱり、親に認められないと、高く飛ぶことはできないんですよ。今では後継者向けの経営塾をやっていますが、そこでもこの話をしています。Part2へ続く※月刊プロパートナー2021年5月号より抜粋  
  • 提案資料の標準化でアップセル&新規獲得を実現

    「フィット感」を重視し、人事労務にまつわるクライアントの課題解決のためにオーダーメイドのコンサルティング支援を強みとする人財さいだい戦略化.firm。標準化に取り組み、さらなる成長を目指す秘訣について、代表の壽谷将隆氏に聞きました。 脱属人化の実現で人材の定着も図る「経営者と一体となって人事面から経営に参画していく」ことを信条に開業したのが、2014年頃。創業当初は、異業種交流会などに参加して紹介を獲得することが主な営業活動だったのですが 、契約件数が増えるにつれて、顧問先をフォローする時間と新規獲得のための営業活動に割く時間のバランスがとりづらくなってきていました。また、職員を採用したこともあって、事務所を組織的に運営する必要があると考え、『社労士パートナーズ(以下、社P)』の導入を決意しました。まず、課題となっていたのが、属人化でした。例えば、サービスを提案するためのプレゼン資料のつくり込みが担当者によって異なる、資料作成に時間をかけすぎて業務を後回しにしている、顧問先へのコミュニケーションスキルに差があるなど、標準化ができていない部分が多数ありました。社Pのツールには、業務提案のためのパンフレットやチラシのベースが豊富に用意されているため、資料作成の時間を大幅に短縮することに成功。提案の際もツールに沿って説明することで一定のレベルを保つことも可能となりました。また、私たちは市場に合わせて、〝七福神メニュー〞と称した7つのサービスを取り揃えているのですが、これらのサービスから派生した新たな提案も、ツールを活用することでしやすくなりました。今後は同一労働同一賃金による人事労務監査や、リモートワークのためのクラウド導入支援を求めるお客様が増えてくると想定されます。人事労務面から経営者を柔軟に支援していくため、社Pを活用しながら社内標準化を推進していきたいと思っています。 ※月刊プロパートナー2021年3月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼
  • 障害年金受給から就労まで自立をサポートする

    開業以来、障害年金に特化して成長してきた社会保険労務士法人ステラコンサルティング。現在は、就労継続支援B型事業所と就労移行支援事業所も運営し、障害年金受給後の自立まで支援しています。代表の坂田新悟氏に、社労士が運営するメリットや今後の展開について聞きました。 生活費だけではなく社会とつながる支援を就労継続支援B型事業所『てんとうむし上尾』は、2019年3月に開設しました。就労継続支援B型事業所とは、障害や病気があることで一般企業での就労が困難な人に、働く場所を提供しながら知識や能力向上のための訓練を行う施設です。この事業を始めたのは、社会保険労務士の仕事がきっかけです。社労士事務所を開業したのは、2010年。開業以来、障害年金に特化し、毎年130~150件ほど受任していました。障害年金を受給する多くの方たちと接しているなかで気になっていたのが、受給後の生活です。障害年金を受給することで生活費の補填はできますが、「それだけでいいのか」という思いがありました。障害年金の受給者は、約6割が精神障害・知的障害の方です。実際、当社に相談に来るのも、半分ほどは精神障害の方です。「今後を見据えていくなかで、受給後の生活が今までと変わらないのはあまり意味がないのではないか?」「私たちの仕事は社会保障費を膨らませることにつながるが、その反対の、お金を生み出す仕事をつくることもしなければいけない」と感じたのです。そこで、2017年くらいから就労継続支援事業所の開設に向けて動き出しました。 開業までの大きな壁は物件とスタッフ探し障害年金に特化していたことで、福祉施設の事業者とつながりがありました。ですから、開設に向けてその方と合同会社を立ち上げ、ノウハウを提供してもらったのです。しかし、大きな壁は、物件探しと人探しでした。就労継続支援事業所の建物には、自治体独自の要件があり、埼玉県の場合は訓練スペースだけで一人3.3平方メートル必要です。ほかにも、相談室や療養室がつくれて、居室内にトイレがある、建物用途に「児童福祉施設等」が入っているなどの要件があります。さらに、駅からの距離や家賃など、条件を満たす物件を探すのが本当に大変でした。また、施設にはサービス管理責任者を置く必要があります。私たちの場合は共同経営者の紹介でなんとか採用することができましたが、ほかの職員も自治体に指定申請をする前に確保しておかなければいけないんです。もちろん、申請が通ったあとは利用者の募集もしなければいけませんし、利用者に作業してもらう仕事を見つけるのも事業者の役割です。現在、てんとうむし上尾では、名刺に点字を入れる作業や、書店で売れ残った手帳、カレンダーを紙と金属に分けるリサイクルの分別作業などを行っているほか、社労士事務所からはタイムカードのデータ入力などを依頼しています。利用者によってできる仕事のレベルが異なるため、さまざまな業務を用意しておく必要があるのです。2021年2月には、就労移行支援事業所『てんとうむし上尾駅前』も開設しました。こちらは、一般企業への就労を目指している人が、決まった日時に事業所へ通うことからはじめて、パソコンスキルなどを身につける訓練を行っています。 他事務所との差別化で価格競争に打ち勝つ社労士事務所が就労支援事業所を運営するメリットとしては、まず「他事務所との差別化」があげられます。社労士事務所を開業した当時は、まだ障害年金に力を入れている事務所は少なかったのですが、競合が増えてきたことで、「価格競争が起こるのでは」という懸念がありました。当社は法人で従業員もいますから、価格競争の波には乗れない。しかし、障害年金の相談に来た方が就労支援事業所に通所してもらえれば、障害年金の請求で報酬をいただかなくても、事業所のサービス利用料を報酬に相当することができると考えたのです。これなら、利用者は自分にできる作業をしたり、就労に向けた訓練をしながら、費用をかけずに障害年金を受給できるため、メリットが大きくなります。また、就労継続支援や就労移行支援を受けるためには、まず相談支援事業所で支援計画を立てることが必要です。そのため、近隣の相談支援事務所との関わりは自然と深くなりますから、障害年金の紹介増につながります。ほかにも、福祉施設やクリニックなど、関連業種の顧問契約増加なども考えられます。 障害者雇用コンサルでさらなる自立を支援この事業を通して一番重要なのは、利用者が就職して、定着してもらうこと。まずはそれを安定して実現することを目指します。さらに、その土壌を広げていくために、社労士事務所では「障害者雇用コンサルティング」を始めたいと考えています。企業側の就業規則の改訂や、障害者を受け入れるための職場環境整備のアドバイス、障害者雇用に関する助成金の申請、入社後の定着支援はもちろん、私たちの事業所からマッチする人材を紹介して、面接に同行することもできます。社労士事務所と就労支援事業所が連携することで、人材紹介から定着まで、一気通貫でサポートできるのです。現在、障害者雇用促進法により、民間企業は従業員45.5人あたりに1人の障害者を雇用しなければいけませんが、雇用せずに納付金を払うことを選ぶ中小企業も多くあります。これは、障害者をどう雇用し、就労してもらえばいいのか、どの障害があるとどんな問題が生じるのか、何の業務ができるのかがわからない、といったことも要因だと思います。しかし、業務を細分化して切り出せば、障害の特性に合わせて任せられる仕事は必ずあるはずです。今は年金が受給できる障害であっても、将来は給付対象にならなくなる可能性がありますし、病気から回復して社会復帰するという人もいます。そういった方たちがスムーズに復帰できるサポート、社会づくりを行っていきたいと考えています。 ※月刊プロパートナー2021年3月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼
  • 次世代幹部育成やOKRでチャレンジする組織に変革

    これからの士業事務所経営には、職員と事務所が相互に成長をサポートする関係「エンゲージメント」が重要となります。今回は、職員が経営に参加する仕組みをつくり、〝挑戦する組織〟へと変革した社会保険労務士法人アドバンスの取り組みを代表の伴芳夫氏に伺いました。 組織を縦と横につなぎ〝多能工化〞を目指す社会保険労務士法人アドバンスでは、「職員一人ひとりがプロフェッショナルになる」というテーマを掲げています。以前は、労働保険や社会保険の手続きなど、特定の分野を深堀りする傾向にありました。しかし、IT化により手続き業務はなくなる可能性がありますし、限られた分野に強いだけでは時代の変化に対応しきれません。そこで近年は、〝多能工〞なプロフェッショナル組織を目指すようになりました。組織全体を横につないで連携し、縦と横に人材が混ざり合うことで生まれるシナジーを大切にしています。創業して30年以上経つ事務所ですから、20年近く勤めている職員も多く、平均年齢も高い。福利厚生も比較的充実していますし、働き方改革も積極的に取り組んでいますので、40名超の規模にも関わらず、ここ3年間は退職者ゼロです。一方で、昔ながらの風土が根強く残っていて、変化に対応できない部分もありました。そのマインドを変えてもらう必要があったため、2015年に私が代表に就任し、拠点を統合する2017年のタイミングで、職員に求める『5箇条』を掲げました。「コミュニケーションの徹底」「変化を絶やさない」「助け合いの気持ちを持つ」など、当たり前のことなのですが、改めて宣言したのです。職員も、この5箇条をスムーズに受け入れてくれました。それぞれが問題意識を持っていましたし、私が事務所を承継したことで、「自分たちの事務所は変わっていくんだ」ということを理解してくれていたのだと思います。 参加型組織をつくりチャレンジを仕組み化組織を変えていくにあたり、一番の課題は「チャレンジ精神を持つこと」でした。その取り組みの一つが、2019年から始めた部長の公募制です。それまでは、いわゆる文鎮型の組織だったため部長職を置いていなかったのですが、「自分が部門を変えたい」「チャンジしたい」という思いがある人に立候補してもらい、任せることにしました。勤続年数に関係なく立候補できますので、なかには自分より先輩たちをマネジメントすることになった部長もいます。また、組織全体を横断的につなぐための仕組みとして、4つの委員会を設けています。そのうちの一つである「ジュニアボード委員会」は、管理職ではない職員を集めて、各現場からあがったさまざまな改革のアイデアを検討し、決定、実現していく委員会です。一定の権限を付与することで、経営に参加する意識を持ってもらうことが目的です。もちろん、ジュニアボート委員会に参加している職員以外も、全員が常に改善意識を持つことが大事です。そのため、半年に1個以上改善のアイデアを出さなければ賞与がもらえないルールにしています。このルールも、特定の人しか意見を出さない現状を受けて、ジュニアボート委員会が決定したことです。ほかにも、有給休暇とは別に、誕生日などにアニバーサリー休暇を取得したら5000円支払われる制度なども、この委員会から生まれました。毎月10個前後のアイデアを話し合うので、変化のスピードはかなり早くなりました。経営陣の会議では、現場ベースで出てくる細かいアイデアは後回しになってしまいがちなので、意思決定が早くなった効果はすごく感じます。 OKRを導入して個々の目標を見える化職員一人ひとりのチャレンジに関しては、2020年からOKRを取り入れました。お客様に人事評価制度構築のサービスを提供しているのですが、正直なところ、自社ではそれほど評価制度の必要性を感じていませんでした。それは、文鎮型の組織で、私がある程度全員の状況を把握できていたことが理由です。しかし、部長職を設けたことで、彼らが部下を評価できるようにならないといけない。評価はマイナスの部分も見なければなりませんが、そうしたものよりも、目標を立てて、その目標に向かう姿勢にフォーカスを当てたい。それがOKRだったのです。OKRを始めるために、アックスコンサルティングの『MotifyHR』を導入しました。導入の決め手は、UI/UX(※)が良かったことと、毎月のエンゲージメントサーベイがあることです。OKRは、まず私が事務所全体のO(目標)を立て、部長に共有し、部門の目標を立ててもらう。それを、各職員が自分の目標とKR(成果)に落とし込んでいきます。そして、月1回の1on1面談で部長と進捗を確認しています。部長たちは、「OKRで目標が明確になり、1on1が効率的にできるようになった」「部下とコミュニケーションが取りやすくなった」と話しています。また、職員も、日ごろ不安に思っていることや自分のやりたいことを話す場ができたことで、意見やアイデアをよく出すようになったと感じています。エンゲージメントサーベイは、働きがいに関する調査ができるため、職員がどこに不満や不安を抱いているのかを可視化できます。当社の場合、全体的に評価は悪くないのですが、これまでは年功序列的な昇進だったこともあり、キャリアップの部分を低く評価する職員が多くいました。ここはこれからの課題として、キャリアパスを整えているところです。※UI/UX:ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス。ユーザーの視覚に触れるデザインや、製品・サービスを通じて得られる体験のこと 士業事務所自らが顧客に誇れる組織になる当社は、スーパーフレックス制度や月曜〜土曜の間で好きな日を休みにできる選択休日制度などがあり、かなり働きやすい環境だと思います。さらに現在は、教育カリキュラムを整えて、個々の成長スピードを加速しながら、多能工化を目指しています。まずは、1年間でその部門の基本的な業務を覚えてもらえるようなカリキュラムをつくりつつ、希望者は閑散期に1週間程度、他部門の業務を経験する短期留学制度を取り入れています。また、クライアントのIT支援を行う株式会社を併設しているのですが、従業員はその株を買えるようにしているほか、若手社員を役員に抜擢しています。株主は利益が出れば恩恵がありますし、役員報酬をもらうためには株主の承認が必要です。経営的な視点を養うと同時に、チャレンジ精神のある職員のためのポストを用意し、将来的な幹部を育成しています。士業事務所はお客様をコンサルする立場ですが、実は自分たちはできていないことが多い。でも、もう〝先生商売〞は通用しない。自らが体現できている事務所にしか依頼は来ないと思っています。そのためには、早く一般企業と同じ土俵に乗ることが必要です。特に、私たち社労士が関わるHR分野は、まだまだブルーオーシャンで、規制緩和されれば大手の民間企業が参入してくる可能性も高い。そこに対抗できるようにしておくには、まず自分たちがクライアントに誇れる組織をつくることが重要だと考えています。※月刊プロパートナー2021年1月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼
  • 顧客と職員に選ばれる成長事務所の人事制度とは?士業事務所の 給与・評価を徹底解説!

    今回のテーマは『士業事務所の人事評価制度設計の基本』。人事領域のコンサルティングを数多く手がける社会保険労務士法人ビルドゥミー・コンサルティング代表の望月建吾先生が解説します。 「他社水準」ではなく 自社の適正報酬単価を士業事務所の人事制度・賃金制度設計で重要なポイントは3つ。従業員に支払いたい年収額に応じた報酬単価、賃金バンドに込めたメッセー ジ、何を可視化するのかの決定です。一つ目の単価設定は非常に重要です。まず、みなさんは顧客に提供しているサービスの価格をどのように設定していますか?同業他社の価格をリサーチして、同等・もしくは単価を落とした設定にしているケースがあるかもしれません。しかし、他社水準に引っ張られすぎると、必要工数に対する単価の考え方が破綻し、従業員に支払いたい年収額を捻出できなくなるほか、十分な役員報酬を確保できない、やってもやっても法人利益が残らないなどの悪循環なリスクを孕んでしまいます。なぜなら、他社の水準が適正報酬額であると言い切れないためです。解決のポイントとしては、法人利益として確保しておきたい適正な利益率を決めて、予めその額を捻出する想定で人件費率の適正割合を設定すること。他社のサービス価格を水準にするのではなく、従業員に支払いたい年収額から逆算して、担当者のレベルに応じた単価を決めることです。例えば、売上に対する理想の割合は、営業利益10%以上、実務担当者人件費率が34%、営業マン、間接営業部門の人件費が各8%、事務所の賃料、そのほか諸経費で20%ほどという具合に、です。また、実務担当者の時間当たりの業務単価を正確に算出しておくことも重要です。これをしない限り、業務改善の成果が曖昧になるので必ず算出しておくようにしましょう。次に、賃金バンドの長さです。これは、〝どのグレードに長く滞留してほしいか〞という事務所代表のメッセージでもあります。つまり、各等級の賃金バンドの長さやほかの等級と重なる部分が、従業員に支払いたい年収額や従業員の昇格イメージと合致しているかということです。例えば、新卒からの3年間は一人前に育つ修行期間だから、その等級には3年であるとか、次の等級はより上位の等級のため4年程度で昇格してもらいたいといったメッセージを込めたバンドにするのです。また、人事制度・賃金制度の「何を」可視化するのかをよく考えて決めてください。評価の基準なのか、処遇のしくみなのか、評価のルールなのか。もしかしたら、従業員の望む可視化とは違ったものになるかもしれません。これは他社を真似てもいいとは限りません。代表の先生がよく考えて決めてください。制度設計の前にまずは、提供するサービス報酬額の利益割合を決めることが重要です。・提供しているサービス価格の設定を今一度見直してみる・他社水準に引っ張られすぎると従業員に支払いたい年収を捻出できなくなる恐れも...・入社した従業員をどのくらいの期間でプロモーションしていくか設定しておくこと・給与と評価は腹落ちすることが大切!各等級の役割責任の基準など可視化させておこう   ※月刊プロパートナー2020年12月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼
  • 人間力の高い人材を育成 組織力で成長を目指す

    開業から6年でグループ含めて50名超規模に急成長したスタートアップ会計事務所。組織の育成とWebを活用した集客・マーケティング戦略について代表の大堀優氏に聞きました。 レッドオーシャンの分野で基盤づくりに没頭2015年に開業して6年目の現在、会計事務所だけでなく社会保険労務士事務所も設立したことで、スタートアップを中心に、資金調達、節税など税務だけでなく、社会保険や助成金申請、就業規則といった、人事労務面までワンストップで支援できることを強みに成長してきました。これも、お客様の満足度を最大限導き出すために、職員が一丸となって同じ目線で業務を着実に行ってきた結果だと実感しています。数社を前事務所から引き継がせていただき、職員3人と私の4人でスタートしましたが、目の前のことに必死で当時は事業計画など立てられませんでした。その経験から学んだことは、創業当時に小手先の事業計画を立てたところで、軌道に乗るまではうまくいかないことのほうが多いということ。ある程度軌道に乗った段階で、その後の事業方針や成長速度が見えてくるので、そこから2年後、3年後の計画を立てるほうが実現しやすくなります。私も一年目はまず、既存のお客様の仕事を丁寧にこなしたことで紹介をいただくことができ、顧問先を100社ほどに増やすことができました。 事務所の成長の軸が職員の採用&育成と確信転機になったのは、開業二年目にある起業塾で税務部門の講師を務めたことでした。塾生からの依頼で、1、2ヶ月で顧問先が50社ほど急増したのです。また、当時は大手会計事務所の導入が少なかったクラウド会計ソフト「freee」を導入していたことも要因でした。「freee」のターゲットは中小企業だったので、スタートアップ企業支援との相性もよく、また、早い段階で実績を積むことができたおかげで、大手と競合することなく紹介をいただけて、資金繰りも潤滑に進めることができました。開業一年目で100社、二年目で200社とクライアントを順調に増やしていくなかで、私が重要視したのが「採用・育成」でした。採用に関しては、案件数が増えたことで仕事を回すことが得意な人物をもともと採用していたのですが、10名規模になった頃、スキル重視の人材ばかりが集まっては、会社として同じ方向を向いて走れないと考えたのです。とはいえ、 内面を重視し、スキルや経験の少ない人材ばかりを採用しては案件を多く持つことはできません。ですが、このタイミングで「能力より人柄」を重要視し、「事務所の変化に柔軟に対応できる」「周りを巻き込み、協力して最後まで業務を遂行できる」「お客様だけでなく、すべての人のために働ける」ことなどを採用基準に設定。採用した人材をしっかり育成していく体制をつくることで、将来マネージャーとして次世代を担う人材が育つよう改革したのです。マネージャーの育成に関しては試行錯誤の連続でした。自身が業務に忙殺されている間に職員が退職していった経験から、理念や理想を共有するために必ず月1回の全体ミーティングを実施。その場で会社の目的を達成するために「当事者意識を持つ」「他責にしない」「自己犠牲の精神」「協力して壁を乗り越える」といったことを全職員に向けて発信しています。さらに、週1回のマネージャーミーティングでは、求心力を向上させるための話や参考書籍を渡し、私の考えを共有するようにしています。そんな取り組みの表れなのか、現在では事務所の文化づくりの一環として社内にさまざまな委員会があり、チームの垣根を越えた横のつながりも生まれています。 Web戦略に注力しながら事務所スケールを拡充事務所が成長していく過程で、もう一つ重要視していたことが「集客のためのマーケティング」でした。オウンドメディアやSNSを活用したWebでの集客は、予算に余裕があれば、リスティング広告やSEO対策で自社メディアへの流入経路を確保できます。開業一年目は予算もなく、大手に勝てないと実感したので断念。しかし、三期目に突入すると、ある程度マーケティング予算を確保できるようになったこともあり、2018年7月に、オウンドメディア『カピバラでもわかる起業』をスタートさせました。その際、専属のライターを雇用し、半年間は基本的な知識を得るための研修を受けてもらいました。現在は毎月4本の記事をアップ。集客効果として、月5件ほどサイトからの問い合わせがあります。オウンドメディアの目的は集客だけにとどまりません。〝自社メディアを保有している=信頼がおける事務所〞というブランディングのほか、採用面接の際に求職者のほぼ全員が自社採用メディア『ST場(スタバ)』を閲覧してから来社してくれることで、採用のミスマッチ防止にも役立っています。組織を大きくしたうえで、スタッフ全員が理念や文化を共有し同じ方向を向いていれば、例えばコロナのような外敵要因で危機になったときでも、一丸となって乗り越えられると確信しています。 ※月刊プロパートナー2020年12月号より抜粋  
  • 新型コロナウイルス感染症の“困った”に応える 危機対策Q&A

    新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、営業時間の短縮やテレワークの導入、職員様への感染予防行動周知など、緊急時の対応に苦慮された先生もいらっしゃるのではないでしょうか。本レポートは、実際に総務部や人事部が対応に困った事例をリサーチし、対応策について、社会保険労務士法人ビルドゥミー・コンサルティング代表社員の望月建吾先生に解説いただきました。ご事務所内での対応はもちろん、顧問先様から相談を受けた際にも、参考にしていただけるかと思います。また、今後も起こりうる天災や感染症蔓延に備え、ご事務所の就業規則やルールの見直しにもご活用下さい。
  • 今見直すべき、労務管理とリスク対策『士業事務所の危機管理』

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、テレワーク導入や職員が感染した場合の対策など、働き方や労務管理の変化が求められています。また、緊急時には情報開示や従業員の行動規制など、リスク対策の適切な判断も迫られています。そこで、総務部や人事部が今回の新型コロナ感染症の対策について困ったことを、社会保険労務士とリスク管理の専門家に解説していただいたレポートを作成しました。
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