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  • 編集部が厳選!【書評】プロフェッショナル・サービス・ファーム―知識創造企業のマネジメント

    本書は、国際的なコンサルティング・ファームのコンサルタントとして著名な著者が1980年代から1990年代にかけてさまざまな媒体に寄稿した論文を再編集し、1冊の本としてまとめた『Managing the Professional Service Firm』の邦訳である。Amazonで購入する目次第1部 基本的問題第2部 クライアントの問題第3部 人材の問題第4部 経営管理の問題第5部 パートナーシップの問題第6部 分散と集中の問題第7部 総括単行本: 368ページ出版社:東洋経済新報社発売日:2002/2/1価格:6930円(税込)著者情報マイスター・デービッド英国生まれ。ハーバードビジネススクールにて博士号を受ける。1979年から85年までハーバードで教鞭をとった後、コンサルタントに転身。ピーター・ドラッカーが会社経営に関する権威であることに並び賞される、プロフェッショナル・サービス・ファームを対象としたコンサルティングの第一人者である。ボストン在住。高橋 俊介慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。人事コンサルタント。1954年東京生まれ。78年東京大学工学部航空学科卒業。日本国有鉄道を経て、84年米国プリンストン大学工学部修士課程を修了し、マッキンゼーアンドカンパニーに入社。89年世界有数の人事組織コンサルティング会社の日本法人ワイアット株式会社(現ワトソンワイアット株式会社)に入社。93年同社社長。97年に独立し、現在に至る 2017.12.13
  • 編集部が厳選!【書評】士業の業績革新マニュアル--「選ばれ続ける事務所」に変わるマーケティングとマネジメント

    本書は主に弁護士、司法書士、税理士・公認会計士、社会保険労務士の4士業を対象にした士業経営のマニュアル書です。資格者の増加による競争激化、主力サービスの低迷、ウェブマーケティングの進化などによって、士業を取り巻く環境は年々厳しくなってきています。これから持続的な成長を遂げるためには、競合事務所と明確な差別化を図るとともに、マーケティングとマネジメントの両面から経営の質を高め、顧客から選ばれ続ける事務所へと変わる必要があります。本書は、士業の方々のそうしたニーズに応えるべく、船井総合研究所士業コンサルティンググループの知見・ノウハウを体系的にまとめた経営書です。Amazonで購入する目次第1部 船井流の業績革新法長所伸展法/一点突破全面展開/ライフサイクル理論と時流適応/圧縮付加法/ハイイメージ付大衆商法/包み込み法/ツキ・マトリックス/差別化の8要素…ほか第2部 現状分析売上高の基本方程式/売上アップの手順/シェアアップ/商圏拡大/マーケットサイズ付加/売上分析/商圏の捉え方/ターゲット市場分析…ほか第3部 ビジネスモデル交通事故ワンストップモデル/企業法務特化モデル/相続遺言特化モデル/営業専任組織立ち上げ/経理代行付加モデル/障害年金特化モデル…ほか第4部 マーケティング商品戦略の考え方/ウェブマーケティング/イベントマーケティング/リアル媒体広告/接客力アップ/受注単価アップ/B to B営業/営業マネジメント/ブランディング第5部 マネジメント士業事務所のマネジメント/業務・品質マネジメント/スタッフマネジメント第6部 発展的アプローチ士業モール/多店舗展開/士業の周辺領域/多角化/FC・VC本部化単行本: 400ページ出版社:ダイヤモンド社発売日:2015/4/3価格:4,860円(税込)著者情報◆株式会社船井総合研究所は1970年創業の東証一部上場企業。「お客様の業績を向上させること」を最重要テーマとし、独自の経営理論(フナイ理論)に基づくコンサルティングを行っている。また、社会的価値の高い「グレートカンパニー」を多く創造することをミッションとし、企業の本質的な「あり方」にも深く関与した支援を実施している。現場に密着した実践的コンサルティング活動は様々な業種・業界から高い評価を得ており、455名のコンサルタントが7,966社の支援先のサポートにあたっている。◆同社士業コンサルティンググループは、総勢30名のコンサルタントが弁護士、司法書士、社会保険労務士、公認会計士・税理士を中心に業績アップ支援を展開。業界でもトップクラスの事務所が参加する「経営研究会」の会員は500事務所を超える。単なるプロモーションや自己啓発に留まらず、各士業に特化した商品開発、サービスレベル向上にまで言及するソリューション提供が特徴。日本最大級の士業向けポータルサイト「士業経営.com」を運営。  2017.12.06
  • 【動画】次世代の会計事務所の成功法則『AAMレポート2017』

    Connect(つながり)、Engage( 取り組み)、Grow( 成長)をテーマに開催されたAAM2017。今回は、エンターテインメントの聖地ラスベガスに4,000人ものCPAが集まりました。数年後の日本の、さらに10年先を行く米国会計業界から、株式会社アックスコンサルティング代表・広瀬元義が会計事務所ビジネスを先取りするレポートを動画で解説いたします。 AAM2017のテーマは『つながり』『取り組み』『成長』会場には、シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーたちが登場。3日間にわたり開催されたAAM2017の初日、ラスベガスに集結した4,000人のCPAたちを盛り上げます。今回のAAMは、『つながり』『取り組み』『成長』をテーマに開催。世代の分け方と各世代の特徴と対応の仕方、CPAに求められる創造性、テクノロジーの進化が会計業界のビジネスに与える影響と『チャレンジ』する必要性、などについての講演がありました。安穏としてはいられない驚異的な”革命”のスピード現在進行形のテクノロジーの進化~第四次産業革命~により、ライフスタイル、物事の価値は、世界同時的に、かつてない加速力で変化し続けています。2017年現在、すでに「テクノロジーの進化は我々、人間が理解できる範囲を超越してしまった」(Google2 Inc.社長 スンダー・ビチャイ氏)。以前の産業革命とは、この点が大きく異なります。ただし、「過程」や「理由」を理解できなくても、テクノロジーが提供する「結果」によってさまざまな恩恵に与ることができます。まだ、日本語対応はしていない(2017年9月現在)が、Amazonの『Alexa』のようなAIが、音声アシスタントとして市民権を得る日は、そう遠くないでしょう。もはや単純作業のほとんどが自動化される未来が訪れることは想像に難くありません。もちろん、会計事務所の作業である記帳や仕訳などが自動化の対象であることは言うまでもありません。 ”サービス業としての”会計事務所モデルを構築AAM3日目、キンバリー・エリソン・テイラー女史(AICPA議長)とバリー・メランコン氏(同会長)との対談形式の同時講演は、テクノロジーの進化が会計業界にどう影響を与えるか、示唆に満ちていました。トラックの運転手の仕事と同様、”会計士の仕事もこの10年でなくなる仕事である”という研究結果を提示し、警鐘を鳴らしています。「あなたの会社は変化に対応していますか?」という質問に対して「何もしていない」という回答が16%もありました。また、今、人間の仕事でロボットが取って代われる仕事は、もはや60%に及ぶという見解です。第四次産業革命による変化のスピードに対応するためには、”分析的なロジカルな考え方”が必須であり、”仕事というものの考え方が変わってきている”といいます。会計事務所に求められるのは、専門知識がデジタル・テクノロジーになっていく流れにおいて、『サービス業としての会計事務所モデル』(バリー・メランコン氏)です。 経営者に信頼される強みをサービス業に活かせる『サービス業としての会計事務所モデル』を実現するには、記帳や申告といった”作業”の請け負いに留まってはいけません。会計監査や経理代行、さらには財務代行、経営戦略のコンサルティングといった高付加価値なサービス提供が必要です。とりわけ、会計監査や経営戦略のコンサルティングといった、経営者に対する『アドバイザリーサービス』は、会計事務所のサービス業としてなじみやすいです。このようなサービスを実現しようとするとき、考えなければならないのは、  どのようなマーケティング活動を行い サービスをどのようにメニュー化し どのように事務所の体制を構築するかということです。このうち「3 どのように事務所の体制を構築するか」については、先生1人でどうにかなるものではなく、職員の採用、教育、評価のシステムなどを整えなければなりません。これからは、物心ついたころからITデバイスに慣れ親しんだ「ミレニアム世代」がコアな労働力となっていきます。彼らへの対応の仕方について理解をしたうえで職員を採用・教育していく必要があるでしょう。 「アドバイザリーサービス」を再構築するために、今すべきことAAMでの3日間にわたる取材を終えた後、ラスベガスでCPAの大御所、ゲイリー・ブーマー氏と2日間にわたり対談を行いました。ブーマー氏はアメリカ会計業界で『最も影響力のある100人』に何度も選出されている、AICPAのオピニオンリーダー的な存在で、アドバイザリーサービスの再構築を提唱されています。ブーマー氏の詳細はこちら。AI、ブロックチェーン、採用・評価制度などさまざまなテーマで話し合っていく中で、会計事務所は今後どういったサービスを提供していくべきか、変化に対応し、チャンスをものにしていくために何が必要なのかが見えました。『アドバイザリーサービス』を再構築する必要性と、クライアントとの関係構築の重要性をお伝えしてまいります。  2017.10.26
  • 編集部が厳選!【書評】税理士事務所経営の極意―自分が儲からないのに、顧問先が儲かるはずがない!

    人件費抑制の仕組みづくりや提案型の業務スタイルの確立、顧問先獲得のための営業手法など、著者ならではの税理士事務所経営のノウハウを凝縮した一冊。Amazonで購入目次序章 成功する税理士事務所経営とは?第1章 税理士事務所が抱える問題点第2章 人件費率10%以内を目指す経営改善第3章 顧問先に信頼される税理士事務所とは?第4章 受身型から提案型業務への転換第5章 たちまち顧客が増える営業術第6章 真の専門家事務所の確立を目指して単行本: 192ページ出版社:清文社発売日:2011/8/5価格: 1944円(税込)著書情報都築 巌税理士・行政書士。昭和54年(1979年)立命館大学法学部卒業後、大阪国税局及び管内各税務署に勤務。間接税、法人税、消費税等の調査及び審理事務に従事。平成13年(2001年)大阪国税不服審判所勤務を最後に退職。同年、税理士登録、京都府宇治市において税理士事務所開設。現在、租税訴訟学会理事、租税訴訟学会近畿支部幹事、日本税法学会会員、近畿税理士会業務相談室相談員、税理士会関係各団体主催研修講師、公認会計士協会近畿実務補習所講師、生保・証券会社主催セミナー講師  2017.10.19
  • 編集部が厳選!【書評】ひとり2000万円稼ぐ会計事務所の作り方

    人が未来を切り開く人あっての会計事務所人を育てる仕組を創る人が活きる職場に変えるひとり当たり2500万円以上という驚異的な生産性を実現している税理士法人コスモス。そのトップ自らが、生産性を高める各種ノウハウを惜しみなく公開。会計事務所の生産性向上の鍵は組織づくりにある。人が育つ組織を創れば事務所は2年で生まれ変わる。事務所経営に悩む所長税理士必読の書。Amazonで購入する目次第1章 会計事務所の生産性について考える●厳しさを増す会計事務所の経営環境リーマンショックと会計事務所経営顧問先のニーズの変化経営者が求めるのは「情報」と「提案」中小企業の事業承継対策会計事務所の生産性●全職員が「経営者のパートナー」になる顧客の成長にどこまでもついていける事務所を創る全職員が「経営者のパートナー」になる意味意識改革がもたらす収益の向上職員を「経営者のパートナー」にするためにはどうすればよいのか第2章 職員に意識改革を促す意味●生産性向上の選択肢経費削減と業務効率化会計事務所は人がすべて誇りを持って働く仲間と働く、仲間と事を成し遂げる組織改革時には人材育成という目的から外れない●会計事務所再考家族的会計事務所家族的会計事務所の欠点●家族的経営の利点を生かし、欠点を補う組織改革仕事を増やす厳しいことを言える人を育てる営業意識を持たせる成果と責任の所在を明確にする個々の努力を正当に評価する家族的会計事務所の欠点を補う手段としての成果給制度●会計事務所における成果給制度の是非失われた10年と成果給制度不況のなかで広がった成果給制度成果給制度の誤用人材育成の観点から外れた取り組みが破綻を招く第3章 意識改革の進め方●意識改革を実行に移す意識改革のスケジュール準備期間に入る前に考えておくべきこと●準備期間中の取り組み改革を表明する所長が話すべきことリーダーになる職員の検討現状把握のためのデータ作成●事務所体制の刷新1――成果給制度の導入成果給制度の概要コンサルティング料の成果配分税務顧問料の成果配分年金の位置づけ役職手当成果給制度導入時の留意点●事務所体制の刷新2――人事評価の仕組み人事評価の概要評価の伝え方成果給の改定●成果給制度導入時の留意点制度完全施行までの期間職員への仕事の振り分け既存の料金体系を変える必要はない●移行期間中の取り組み1――人材育成の推進「経営者のパートナー」を育てるリーダーの育て方●移行期間中の取り組み2――営業意識の徹底事務所に営業意識を浸透させるノルマの設定ペナルティーの設定●移行期間中の取り組み3――組織風土の改造職員の成長モデル職場に厳しさをもたらす自己学習の場を作る少数精鋭グループの構築成果給制度についていけない職員への対応●移行期間中の取り組み4――付加価値業務の展開顧客ニーズの把握から始める高度な案件でも躊躇しないコンサルティングのノルマの調整●移行後の取り組み成長を持続させる「経営者のパートナー」が働く会計事務所第4章 意識改革の実践●公認会計士野田賢次郎事務所代表社員への就任成果給制度設計の経緯●「経営者のパートナー」を育てる営業意識をどう持たせるかリーダーとグループ職場環境を維持する大切なことは繰り返し言う福岡事務所の意識改革生産性2500万円の内訳おわりに――税理士という仕事単行本:199ページ出版社:三和書籍発売日:2010/12/01価格:1500円(税込)鈴木 成美税理士法人コスモス代表社員。税理士。昭和48年生まれ。平成8年公認会計士野田賢次郎事務所入所。平成15年税理士法人化に伴い代表社員に就任。「経営者のパートナー」として中小企業の支援に取り組む一方で、会計事務所の経営コンサルティングにも力を入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 2017.10.12
  • 【先駆者たち】創造欲に生き人のために人生を捧げた『資産税』の先駆者

    先駆者たち株式会社タクトコンサルティング 税理士法人タクトコンサルティング会長/税理士 本郷尚先生編未来を切り開き、会計業界に多大なる影響を与えてきた先駆者たち。今月はタクトコンサルティングの本郷尚先生が登場。若くして資産税に取り組み、 資産税専門の一大税理士集団にまで育て上げた彼の半生を振り返ります。  大切なのは顧客の悩みや苦しみを理解し知ること広瀬資産税をやって行く上での、基本的な考え方を教えてください。本郷税理士は、税法が変わると税法の勉強をします。私は、お客様が何を感じ、考え、悩んでいるかを、いつも見て、聞いています。有名なテレビドラマで「事件は現場で起きている!」と言っていました。あれと一緒で、問題はいつもお客様のところで起きています。我々の頭やパソコンの中に答えがあるわけではありません。法律が変わったこと、経済変動が起きたことでの具体的な化学反応は、お客様のところで起きているんです。それをどうつかむか?そこを理解せずに、我々が頭で考えた提案書を持っていっても受け入れてくれません。事実を分析して、結果をエクセルで出して「いかがでしょうか?」と言っても、「なるほどね。ところで……」と、別の話となって、見送りになる。我々がお客様のことをまったく知らないで、法律と知識だけで解決しようとするのは専門家の誤り、〝我輩は無知なり〟です。答えはいつもお客様の中にあります。広瀬〝知る〟と言うのは具体的にどういうことですか?本郷専門家が知っているのは、専門的な知識だけ。コンサルタントならお客様を理解し、問題点を抽出し、お客様との会話の中から答えを見出す。そこがいちばん大切です。AIやITは道具としては使うけど、本質は人間です。人間のハートとハートのぶつかり合いですよ。〝事実を知る〟〝事情を理解〟します。広瀬完全な本郷尚流ですね 私は、最初から資産税の世界で生きていた広瀬そもそも、いつ頃から資産税一本で行くと決めていたのですか? 2017.10.11
  • M&Aグロースで日本最大級に成長した”税理士法人の先駆者”

    「人生で大事なのは、運と健康だよ」と笑いながら話す本郷孔洋先生。いち早く法人化し、M&Aによって事業を成長させてきた「辻・本郷 税理士法人」。かつては時代の波を見誤ったこともあるとのこと。バブル後の経済成長やインターネットの普及するタイミングなどがそうです。「ビジネスは半歩先を行かないとダメだ」“ 税理士法人の先駆者” の積み重ねてきた経験は、次代を担う先生にとって、事務所経営のヒントや気づきを与えてくれるでしょう。本郷先生の、これからの会計業界に対する洞察と助言をお送りします。 誰と出会ったかが人生の節目になる広瀬辻・本郷 税理士法人の強みといえば真っ先に挙げられるのが職員数や拠点数ですよね?事務所を開業したときから規模を意識していましたか? 本郷事務所規模は後付けですよ。40年前に事務所を設立したときは、顧問とスポットを合わせて100件取れればいいかなと思ってました。規模を大きくしようと考え始めたのは、設立して20年ぐらいしてからかな......。広瀬どうして事務所規模を大きくしようと思ったんですか?本郷欲が出たんでしょうね(笑)。100件取れたらから、それじゃあ次は200件を目指そうと。あとは山田淳一郎さん(税理士法人山田&パートナーズ 名誉会長)に会ったこともいい刺激になりましたね。人生の節目に誰かと出会うことはよくあります。山田さんとは友だちだったけど、ライバルでもあったかな。山田さんもライバル心はあったと思いますよ。言葉に出したことはないけどね......。 半歩先を読むのがコツ 行き過ぎてもダメ広瀬辻・本郷 税理士法人が成長するきっかけは、どこにあったんでしょうか本郷資産税の波に乗ったのが良かったんですかね。開業して10年目ぐらいのときから資産税を扱い始めた。当時は資産税がトレンドだったから反応がよかったな。税目のトレンドは、日本の経済成長に合わせて変化しています。戦後からだと「酒税」「個人の事業承継」「法人税」といったようにね。ビジネスは次のトレンドを予測しなければならない。ゴルフで例えるとフォロー(追い風)のときにスイングするのと一緒です。広瀬本郷先生にとってのトレンドを予測するコツって何ですか?本郷半歩先を読むということ。でも、これが実に難しい。行き過ぎてもダメ。2000年ぐらいからインターネットに注力したんだけど、早すぎて効果がなかったこともあるから。自分で「予測が当たった」と思うのは税理法人化したことかな。2001年の税理士法改正で、税理士事務所も監査法人のように集約されると考えたわけです。事務所を開業する前は監査法人に勤めていたけど、当時の職員数は300人ぐらいだった。それが今では、5000人もの人が働いている監査法人がある。30年で監査法人がここまで成長できたのは「M&Aグロース」のおかげなんですよ。広瀬「M&Aグロース」とは何ですか?本郷自社のリソースだけで成長する「オーガニックグロース」と、経営統合によって成長する「M&Aグロース」って言葉があるんですね。監査法人のほとんどは「M&Aグロース」によって成長してきた。M&Aは苗木をもらって花を咲かせるようなものだから、自前で種から育てるよりも楽ですよね。広瀬それで辻さんと合併して税理士法人化したんですね。本郷税理士法が改正する少し前に、たまたま辻さんと合併する話が出て、いいタイミングで、運がよかったと思う。広瀬当時は大きな合併に感じましたね。合併した後の数年は、辻さんと別々に業務をされていましたよね?本郷  最初の3年は辻さんと別々で仕事をしていました。次の3年で一緒になった。そのときはリーマン・ショックの前で景気がよかったから、売上が結構伸びて。その後の3年はM&Aに注力しました。振り返ってみれば、辻・本郷 税理士法人の歴史は3年で分けられるんです。 地方で稼いで都会で勝負。ある2人に影響を受けて広瀬M&Aに注力したきっかけはあるんですか?本郷職員が現状に満足してしまって動かなくなったんだよね。朝礼で私が話をしても、職員からの食いつきがなくなりました。朝礼でみていると職員のやる気が落ちるのって、驚くほどわかりますよ。幹部の目に覇気がなくなっていきますしね。会社のモラルが下がるのって、会社の売上が悪いときだけじゃない。会社がある程度調子が良くなったときにも起こるんです。そんな社員の士気が低いときに、地方からのM&Aの話が出たんで、地方展開しようと決めました。広瀬地方展開って勇気がいりますよね。本郷ある2人に影響を受けて地方進出を決意したんです。1人が毛沢東。「農村から都会へ革命を起こす」という理論は毛沢東の有名な理論です。現代風に解釈すると、地方から都会へ攻めろということですね。もう1人がヤマダ電機の創業者である山田昇さん。山田さんの書籍「ヤマダ電機の礎」を読んで、この人はただ者じゃないと感じました。当時、ヤマダ電機は地方展開をしていたのだけど、「地方で稼いで、そのキャッシュで都会で勝負する」……なるほどと思いました。そこで地方のM&Aを進めたんです。ただ3年でM&Aの速度が鈍化してしまいました。広瀬  どうしてM&Aの速度が鈍化したんですか?本郷  私がマンネリになったことも理由として挙げられるんだけど、一番大きかったのは地方が疲弊していたこと。中堅都市の事務所とM&Aをしても、なかなか売り上げが伸びてこなかった。同じ時期にヤマダ電機も苦戦していたので、都市部への一極集中が進んでいったんだと悟ったんですよ。そこで都会へ回帰しようと思って、東京や大阪の店舗数を自前で増やすことにしました。 鮭もビジネスもど真ん中は美味しくない広瀬M&Aの鈍化は地方の疲弊が原因ですか。都市部の店舗展開を始めたときはどのような戦略を立てたんですか?本郷  この話を進めるうえで、ひとつ質問をしてみたいんだけど。広瀬さんは鮭の身のなかで、どこが一番美味しいか知っている?広瀬  えっ、鮭ですか?ハラミですかね……。 本郷  実は科学的に証明されていて、鮭は皮と身の間が一番美味しいんです。この話を聞いて思ったのが、「ど真ん中ってうまくない」ということ。ビジネスも一緒だなと。首都圏のど真ん中に店舗を出店しないで、郊外に出そうと思いました。それで吉祥寺を選んだのです。事務所のエース職員に運営を任せたから、吉祥寺事務所の成長は早かったですよ。他には大宮や横浜にも店舗を出しましたね。広瀬  なるほど。鮭もビジネスも「ど真ん中は美味しくない」ですか(笑)。ところで、本郷先生のように多店舗展開したいんだけど、支店を任せる人がいなくて困っているという税理士の方がすごく多いんです。これについて先生はどのようにお考えですか?本郷  初めて事務所を出すときは苦労しますよね。そこに人材や資金を注力しすぎるわけにはいかないし。経営はあるリソースでやらないと。M&Aや地方出店を長年やってきて思ったのは、経営を現地に任せるのがよいということ。本社から指示を出すよりも、現地の人に任せた方がいい。その代わりオペレーションは、本社と統一しなければいけないけれども。広瀬  「経営はあるリソースでやらないといけない」と言いますが、他の事務所からすると本郷先生は多くのリソースを持っているように見えますよ。本郷  他の事務所にも優秀な人材は必ずいますよ。ただ「地方へ行きたい」と思う職員がある程度いないといけない。地方進出へ意欲的になってもらうためには、成功事例を見せるのが効果的。成功事例を見せると、若い人でも行ってみたくなるものですよ。 参入障壁が高い分会計業界は成功への道が近い広瀬 M&Aや地方展開など、さまざまなことをうかがいましたが、事務所が成長した一番の要因はどこにありますか?本郷  会計事務所だったからうまくいったかな。飲食店を経営していたら、今みたいに成功していなかったかもね。会計業界は参入障壁が高く、競合が少ない。他業種は太平洋で戦っているのに比べれば、この業界は湖で戦うくらいの差があります。広瀬確かに、税理士資格はすぐに取れるものではありませんね。それでも会計業界の競争は激化してきていると思います。今後はどのような営業やマーケティングに取り組むべきですか?本郷  インターネットは外せないね。年間で1,000件の新規案件を獲得できる事務所もあるんだから。この件数は昔だと考えられなかったよね。またスマホにも対応しないといけない。会社設立サービスをインターネットで集客しているんだけど、解析データを見ると7割の人がスマホからアクセスしていました。新規件数が多くなりすぎると、生産体制に問題が起こるけど、最近はスキャナーのシステムも上がってるから工場化ができるんじゃないかな。広瀬  Webマーケティングが今後は重要になってくるんですね。 取材をおえて私が本郷先生に出会ったのは、今から25年近く前。私の会社を設立してすぐの頃です。 当時の本郷先生はすでに100名以上の体制で、大きい事務所のひとつでした。最初にお会いしたときの印象は、税理士や会計士らしくない「新しいタイプの人」でした。具体的には、マーケティングや新しい発想に優れておりで、「借り物でない新しいキーワードをいくつも持っている人」という印象です。今回の取材でも相変わらずの感性で、いろんなお話しに触れられました。そして思ったのは、やはり「新しい人」でした(笑)。 本郷先生、本当にありがとうございました。広瀬元義 プロフィール辻・本郷 税理士法人(東京都新宿区)前理事長 公認会計士・税理士本郷 孔洋(ほんごう よしひろ)氏1945 岩手県に生まれる。1972 昭和監査法人(現    新日本有限責任監査法人)に入所監査業務に携わった。1977 本郷会計事務所を設立水道橋に事務所を構え、税理士業務をスタート。資産税を武器に100名規模の事務所となる。2002 辻会計事務所と合併「辻・本郷 税理士法人」を設立本郷氏は理事長に就任。M&Aで拠点拡大を図る。現在では、提携企業も含めると約60の拠点があり、総勢1100名のスタッフが活躍中。 「辻・本郷 ビジネスコンサルティング株式会社」「辻・本郷 社会保険労務士法人」といったグループ会社もあり、多岐にわたる顧問先のニーズに対応している。2016 新宿本部を「JR新宿ミライナタワー」に移転きれいな眺めを見渡せるオフィス。現在は300名の職員が勤めている。カフェテリアではコーヒーメーカーが設置されており、落ち着いた雰囲気の中、お客様との面談が行える。インタビュアー 広瀬元義士業事務所を支援して30年目を迎える株式会社アックスコンサルティング代表取締役。先駆者たちの思考を聞き出し、解析する。 2017.09.26
  • 編集部が厳選!【書評】ひとり税理士の仕事術(井ノ上陽一)

    Amazonで購入する目次第1章 ひとり税理士として独立する心構え第2章 ひとり税理士の仕事のつくり方第3章 お客様にどう対応すべきか第4章 時間の使い方第5章 心と体のマネジメント第6章 スキルマネジメント巻末付録 独立を後押しするナインストーリー単行本: 248ページ出版社: 大蔵財務協会発売日: 2015/7/11価格:2,100円(税込)著者情報井ノ上 陽一(いのうえよういち)株式会社タイムコンサルティング代表取締役税理士雇われない・雇わない生き方、「ひとりしごと」をサポートする「ひとり税理士」。あえてひとりでビジネスを行い、雇われない雇わない生き方を10年間追究し続け、その生き方にも共感をもたれている。得意な仕事は、・時間管理のサポート(効率化、IT、PC、Excelなど)・お金管理のサポート(節税、経理、お金)・ひとりしごと(フリーランス、ひとり社長)のブログを中心としたネットマーケティング公務員(総務省統計局)、個人事業主(税理士事務所)、IT企業(一般企業)と8年半、あらゆる職場を経験した結果、「時間とお金のバランスをとるには独立しかない」と感じ、独立。しかし、独立後も嫌な仕事と時間に追われつつお金もない人生に。一念発起し、ブログを軸に収入の柱を複数持つ「ひとりしごとモデル」を編み出す。人を雇えば手間も増え意図せぬ規模の拡大も目指すことになるため、雇われないだけではなく、雇わないことも大事であることを説き、時間とお金、仕事とプライベートを両立できる人を増やしていくことを目指している。著書に、『新板ひとり社長の経理の基本』、『フリーランスのための一生仕事に困らない本』,『ひとり税理士の仕事術』など10冊(海外版含む)ブログhttps://www.ex-it-blog.com/ホームページhttp://www.inouezeirishi.com/Twitterhttp://twitter.com/yoichiinoueFacebookhttp://www.facebook.com/yoichiinoue  2017.09.21
  • 消失する可能性が高い“聖域”業務 AIに代替させる仕事と付加価値

    「経営者を本業に専念させ、売上を上げさせること」が税理士に求められています。そのために「高付加価値サービスを提供する」という思想があれば、AIの進化は新たなビジネスチャンスだということに気付くでしょう。 税務にこだわるな、でも、税務から離れるな ‼すでにAIに代替されている仕事は多くあります。たとえば融資・決済・資産運用といった銀行の〝聖域〟業務は、もはや聖域ではなくなりました。会計業界でも、単純な手続き業務はAIによって代替されていくでしょう。「記帳するだけ」「税務申告を代行するだけ」などがそうです。しかし、必要以上に身構える必要はありません。ベテランの先生方は、これまでもテクノロジーの進化に伴って、ビジネスの質を変遷させ、事務所を回してきたはずです。手書きから自計化、記帳代行、そして新たに先進的な事務所が取り組み始めた経理代行へといった具合に。税務にこだわって手続き業務に終始していてはいけないのですが、本分は税務です。税務を置き去りにすることなく、どのような付加価値業務を提供していくか。この基本を押さえておけば、テクノロジーの進化に振り回されることはないでしょう。次のページではAIの進化をビジネスチャンスとして活用している他業種の事例を紹介します。AIの進化とどう向き合っていくべきか、これからの士業事務所経営のヒントになるかも!?※マイケル・A・オズボーン氏の論文『雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか』から抜粋  2017.08.30
  • 経営統合を続け、3拠点90人超の規模まで拡大! 相続・事業承継の専門特化を究め「九州一の総合シンクタンク」 を目指す‼

    2014年に福岡、翌2015年には鹿児島の会計事務所と経営統合し、短期間で3拠点90人超の規模まで拡大した税理士法人さくら優和パートナーズ。「会計事務所にありがちな『救済型』の統合ではありません。『九州一の総合シンクタンク』になるための積極的な経営統合です」と語るのは代表社員税理士である岡野訓氏。今回は統合の狙いと今後の展望について話を聞きました。 九州新幹線全線開通が規模拡大を後押し─短期間で立て続けに経営統合を行って規模を拡大させていますが、そのきっかけはなんですか?岡野訓氏(以下岡野氏)決め手となったのは、2011年の九州新幹線全線開通でした。博多から熊本を通って鹿児島中央まで、早ければ1時間17分で着くようになり、福岡や鹿児島からの相続・事業承継案件の依頼が増えました。専門特化をさらに究めたいと思い、拡大しようと決心しました。─なるほど。専門特化のための経営統合なのですね。岡野氏 そうです。会計事務所にありがちな、後継者難を救済するための統合ではありません。─まず、2014年に福岡の会計事務所と統合されたのですね。岡野氏 はい。藤田ひろみ先生とは以前から懇意にさせてもらっていた間柄で「岡野さん、福岡に進出するなら、うちの事務所に間借りしてもいいよ」と言われていました。そこで統合を提案したら、スムーズにOKをいただけました。─翌年には鹿児島の会計事務所と統合しましたが、その経緯は?岡野氏2015年10月に肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合しました。両行ともに地元トップシェアで、強い銀行同士の合併でした。「当社も強い者同士の統合をしよう!」と触発されましたね。そうなると、経営統合の相手は、鹿児島でナンバー1の税理士法人鹿児島さくら会計以外にないと思い、岩元耕児先生にお声をかけました。ちょうど当社が肥後銀行のアドバイザーを務めており、鹿児島さくら会計さんが鹿児島銀行のアドバイザーだったこともあり、こちらのスムーズに決まりました。─経営統合で3拠点体制となったことで、事務所経営上、気を付けている点はありますか?岡野氏 経営統合といっても、実質的には経営理念の統合です。グループウェアを活用して、情報のプラットフォームも統合させていますが、オフィスと人員はそのまま別々で、内部の諸規程もそれぞれ従来通りです。そのほうが作業も今まで通りですし、相乗効果を図れると思います。また、福岡と鹿児島の両事務所には統合したメリットを常に感じてもらえるよう、気を配っています。お客様を紹介したり、セミナーのコンテンツを提供するなど、「自利利他」の精神でメリットを与えています。  2017.06.22
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